8強敗退の悔しさを知る青森山田の10番が起点となって“国立切符”を勝ち取った。プレミアEASTでしのぎを削る昌平(埼玉)に4発快勝。MF芝田玲(3年)が4ゴールすべてに絡み、自身は1ゴール1アシストをマーク。昌平は先発した11人中10人が、芝田が中学3年時に青森山田中に転校するまで在籍していた昌平の下部組織であるFC LAVIDA出身。旧友の前で獅子奮迅の活躍を見せた。
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すべての得点が芝田の右足から生まれた。1点目は前半2分、右サイドから芝田がゴール前へ正確なクロスを供給。ファーサイドのDF小沼蒼珠(2年)が右足で合わせて先制した。2点目は同4分、芝田のFKから、ゴール前の相手DFに当たったこぼれ球をDF小泉佳紘(3年)が押し込んだ。同19分にはペナルティーエリア内に切り込んだFW米谷壮史(3年)からのラストパスを走り込んでいた芝田が右足で合わせて3点目。後半4分のゴールも芝田のFKが起点となった。芝田は「ゴールは自分の右足からという形。自分のできる精いっぱいが勝利につながったのはすごくうれしい」と喜んだ。
特別な試合だった。昨年涙をのんだ準々決勝の相手が、かつてしのぎを削ったチームメートばかり。このカードが決まった2日には、親友でありライバルでもある昌平MF土谷飛雅(3年)とLINEでやりとり。「自分が『やっときたか』と言ったら、向こうは『待ってたよ』みたいな感じで言ってきました」。芝田の母・愛さんは「『どっちが上か決めようぜ』ってことで、2人でLINEし合っていたみたいです。楽しそうでした」。ワクワクが隠し切れない様子だったという。その最高の舞台で、1ゴール1アシストの大活躍。芝田は「(対戦が)実現したことがすごくうれしいですし、その中で勝てたことが素直にうれしい」と勝利をかみしめた。
試合後、土谷は交代していたためピッチにはいなかったが、かつての仲間たちと言葉を交わした。「終わった瞬間に、みんなが自分に『絶対優勝しろよ』という風に言ってくれた。本当に口だけじゃなくて、あいつらの思いを背負って絶対に優勝して、また会いたいです」。次に会うときは、“選手権覇者の10番”としてだ。【濱本神威】



