日本代表FW岡崎慎司(29)を擁するレスターのプレミアリーグ初優勝に暗雲が垂れ込めてきた。

 首位レスターが17日のウェストハム戦に引き分けたのに対し、2位トットナムは18日のストーク戦に4-0と大勝。2チームの勝ち点差は5点に縮まった。

 今季はもう残り4試合で、レスターの優位は動かない。だが同クラブの残り試合の対戦相手はスウォンジー、マンチェスターU、エバートン、チェルシー。ラスト3戦の相手は、今季は期待を裏切っているとはいえ、毎年上位候補に挙げられる強豪チームだ。

 一方、トットナムの残り試合はウェストブロミッジ、チェルシー、サウサンプトン、ニューカッスルが相手。トットナムの方がやや有利に見える。日本代表で岡崎と同僚のDF吉田麻也が所属するサウサンプトンの「援護射撃」に期待したいところだ。

 そして18日、レスターにさらなる不運が降り掛かった。ウェストハム戦で2度の警告で退場となったFWバーディーに、イングランド協会(FA)から処分が下ることが決まった。

 退場に対する主審への抗議が不適切な行動とみなされ、出場停止が2試合に増やされる可能性が高まった。そうなるとスウォンジー戦に加え、マンU戦にもエースが出場できなくなる。

 2トップを組む岡崎は「自分の価値を証明したい」と意気込んではいる。だが今季リーグ2位の22点を決めているバーディーの不在は、どのように解釈したとしてもチームにとってマイナス以外の何物でもない。

 筆者にとってはこのFAの処分は、不可解極まりないものだ。主審の権威を保つための措置なのだろうが、そもそもバーディーへの2枚目のイエローカードが理解に苦しむものだからだ。

 何度もテレビの映像を見たが、明らかにバーディーは相手選手に引っ掛けられて倒れており、少なくともシミュレーションで警告を受けるたぐいのものではなかった。

 この試合のロスタイムにレスターFWシュラップがエリア内で倒され、同点となるPKが与えられたが、このプレーも笛を吹くほどのタックルではなかった。 意地悪い見方をすると、バーディーを退場にしたことが正しかったのか確信が持てないでいたジョン・モス主審が埋め合わせのためにPKを与えたと思えてしまう。

 米スポーツ専門放送局のESPNは「Boiling Point(沸騰点)」という番組の中でモス主審のレフェリングを批判するとともに、シーズン終盤の首位チームの試合を、リーグを代表する主審が担当しなかったことに疑問を呈している。

 イングランドでトップの審判は、もちろん異論はあるとは思うが、今夏の欧州選手権に派遣されるマーティン・アトキンソン氏とマーク・クラッテンバーグ氏と考えてよいだろう。

 アトキンソン氏は14日の欧州リーグ、スパルタ・プラハ(チェコ)-ビリャレアル戦を裁いており、日程的に難しい面はあったかもしれない。だがクラッテンバーグ氏は10日のリバプール-ストーク戦を担当したのが最後で、レスターの試合で笛を吹くことはできたはずだ。

 2人とも過去に批判を受けた判定もあり、モス主審より優れていると断定はできない。それでも「優勝のかかった重要な試合は、リーグトップと考えられている主審が担当するべき」というESPNの意見には素直にうなずける部分が多いと思う。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)