「ブンデスリーガ観戦になくてはならないもの」といえば、やはりドイツビールやソーセージが挙げられるだろう。どのスタジアムにも数多くの売店が設置され、試合前はもちろん、ハーフタイム中や試合後にも、ビールその他軽食を求める人が列をなしている。
購入方法はクラブによって様々。大きく分けて、現金払いと、チップ入りカードでの支払いがある。後者は、そのスタジアムでしか使用できず、初めて訪れた人はまずスタジアム内指定の購入場所、もしくは通路に立っているカード販売係に声をかけ、入手しなければならない。入金方法も同様で、係員にお金を渡し、カードに希望額をチャージしてもらうという仕組みだ。
しかし今、このカードが問題となっている。
ドイツ消費者保護センターの調査によると、現在ブンデスリーガ1部に所属している18クラブのうち、Bミュンヘン、レバークーゼン、シャルケ、ウォルフスブルク、アウグスブルクのスタジアム内売店では現金の取り扱いを一切行っておらず、先述のチップ入りカードでの支払いしか受け付けていない。そして、その中でもBミュンヘン、シャルケ、アウグスブルクの本拠地を訪れたファンは、かなりの被害を受けているという。
この3クラブのスタジアムでは、カード残高の返金を求める際にも手数料がかかるだけでなく、出入金を担当するスタッフの数が不十分であり、ファンは常に長蛇の列に並ばなければならないため、返金を諦めてしまうことが多いという。さらにはチャージ金額の有効期限が非常に短く、明記もされていないそうだ。
大衆紙「ビルト」によれば、シャルケでは2009年、この“期限切れ”となった残高の総額が68万1000ユーロ(約7995万円)にのぼり、2010年のBミュンヘンでも実に240万ユーロ(約2億8176万円)もの利益を計上。なお、同紙によると、この事態を重く見た消費者保護センターは是正を求めて近いうちに動き出す予定で、改善がされなければ裁判沙汰になる可能性もあるとのことだ。
ちなみにケルンはファンのことを考えてか、2007年に始めたカード払いシステムを2014年に一部撤廃し、現金での支払いも可能にした。またドルトムントとホッフェンハイムも、この夏から同システムを完全に取りやめ、現金払いに一本化しているという
確かに、前もってカードにチャージしておけば、買う側と売る側の双方にとって手間は省ける。だが、このシステム“のみ”では、アウェー側のファン、そしてまれに観戦へ訪れる客は損を被りやすい。やはり、スタジアム専用カードと現金のどちらでも支払い可能であるほうが良いのではなかろうか。


