アトレチコ・マドリードがバルセロナのウルグアイ代表FWルイス・スアレス(33)と、今季の入団で合意に達したことをスペイン紙ムンド・デポルティボ電子版が21日に報じている。

Aマドリードのスアレス獲得は当初、ほとんど不可能なものと見られていた。しかしスアレスのユベントス行きが、セリエAでプレーするために必要なイタリア国籍取得に時間がかかることで消滅したため、選手本人と合意に達したとのことだ。そのため残るはクラブ間合意となっている。

Aマドリードはスアレスに契約期間2年間のオファーを出したとのことだが、この条件は来年1月に34歳の誕生日を迎えるベテラン選手にとって、非常に魅力的なものになっているという。

さらにAマドリードのディエゴ・シメオネ監督、ミゲル・アンヘル・ヒル・マリン最高責任者(CEO)が継続的に連絡をくれたことが、マドリード行きを決断する、もう1つの理由になったとのことだ。

また、契約が残る今季分の2000万ユーロ(約25億円)超えの高額年俸について、スアレスが移籍先のクラブで同額を受け取れるように、バルセロナに不足分を補う金銭的努力を惜しまない準備があるという。これはAマドリードにとって、スアレスに支払う初年度の給料を安く抑えられるため、非常に好ましい状況となる。

一方、移籍への問題点として同紙は、スアレスが来年まで契約がある中で戦力外になったため、違約金として残りの契約期間分の給料全額を受け取った後で退団を望んでいること、現時点でバルセロナにスアレスを無料放出する意思がないこと、そしてAマドリードがスアレス獲得のためクラブの財政やサラリーキャプ制(移籍金の減価償却費や選手年俸などの限度額)を考慮してジエゴコスタ放出が必須になっていることを挙げている。

(高橋智行通信員)