欧州チャンピオンズリーグ(CL)は5月30日(日本時間31日)、昨季王者のパリ・サンジェルマン(フランス)とアーセナル(イングランド)による決勝戦が行われる。ハンガリー・ブダペストでの大一番は2連覇か、悲願の初優勝か-。今季、パリSGはフランスリーグで5季連続14度目の優勝。アーセナルは22季ぶり14度目となるプレミアリーグ頂点に立ち、波に乗る。決勝をライブ中継するWOWOWで現地から解説する元日本代表MF戸田和幸氏(48)が、異なる両チームのスタイルをひもとき、見どころや勝負のポイントを語った。

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パリSGは昨シーズンの王者で、今季もやっぱり強いなという印象です。対するアーセナルは今大会14試合で6失点と失点が一番少ないチームなので、決勝のカードとしては最も納得感のあるものとなりました。

昨季バロンドールに輝いたデンベレのいるパリSG、その魅力は流動性のあるサッカーです。いろんなところに動くので、相手はマークが難しい。この流動性がなぜ生まれたかと言うと、マンツーマンの戦術がどんどん入ってきたからです。人にくっついてくるから、ポジションを入れ替えて相手を攪乱(かくらん)しながらゴールに向かっていく。できる人を集めた上で、ルイス・エンリケ監督がこういうスタイルをつくりました。

サイドバックがFWの位置に行ったらFWの役割も求められるが、ヌーノ・メンデスとハキミだからできる。例えば相手のFW選手がボランチの位置まで下がったら、ボランチのような守備はできない。そこで相手を攻略していく。ボールを持つチームゆえボランチのビティーニャの存在は大きい。いるべき位置にいるという「秩序」を持ってチームは動きます。

アーセナルもポジションは入れ替わるけど、より組織的です。トランジション(攻守の切り替え)がすごく大事で、失った瞬間に選手が散らばっていたらカウンターを受けてしまう。ポジションの入れ替わりが少ない分、崩しきれないところも出てくるけど失点はとにかく少ない。アルテタ監督は美しいものを求めず、勝つために必要なことを愚直にやっている。そして最後にはセットプレーがある。そこにリソースを割くということはもちろん他の分が減る。覚えないといけないことは増え、セットプレーを獲得するためのプレーをしなければいけない。チームが質実剛健みたいな感じに変わってきた印象です。

両チームともウィングに特長のある選手がそろっています。パリSGのクバラツヘリア、ドゥエは攻撃力だけでなく、ランニングが多く守備も頑張れる選手です。アーセナルの右FWサカも相手にとってすごく嫌な選手です。そのサカの対面はヌーノ・メンデスで、すごく重要なマッチアップとなります。ここでBミュンヘンの右FWオリーセが準決勝の第1戦で見せたぐらいにやれれば、チャンスはありそうです。

ハイレベルな戦いとなれば基本的にミスをしない。だから1個のミスが出れば、流れは大きく変わります。あとは今季最後の大舞台とあって、互いに心身を研ぎ澄ませてできる限りのことをやってきます。ゴールをこじ開ける上で、ビッグプレーヤーのビッグプレーが出るかどうか。そういうところで勝負の明暗は分かれると思います。

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