ジャカルタ・アジア大会の男子バスケットボール代表選手4人が20日、行動規範の違反で日本選手団の認定を取り消され、帰国処分となった不祥事を受け、日本バスケットボール協会は同日夜、都内で緊急記者会見を開いた。

 三屋裕子会長(60)は、国際バスケットボール連盟(FIBA)に、永吉佑也(27=京都ハンナリーズ)橋本拓哉(23=大阪エヴェッサ)佐藤卓磨(23=滋賀レイクスターズ)今村佳太(22=新潟アルビレックスBB)の4選手がジャカルタ市内で買春行為を行った不祥事を報告したと明らかにした。その上で「FIBAに一報は入れました。どういう形で尾を引くのか…今の時点でお答えはいただいていません」と説明した。

 FIBAは無条件で五輪開催国枠を与えていない。その上、日本は14年に普及・強化の観点からトップリーグの併存に反対し「1国1リーグ」を求めてきたFIBAに応えられず、資格停止の制裁を受けた経緯がある。日本は協会のガバナンス、リーグの統一を実現し、代表の強化を示すことで、W杯で16強程度の成績を残すことが必要とされている。悲願の20年東京五輪に向け、若手の強化を意図して参戦したアジア大会で、まさかの不祥事が発生し、同会長は「アピールの場を1つ失ったと思う」と無念の思いをにじませた。

 一方で、協会として、4選手の更生、再起のサポートを行っていく考えを重ねて示した。三屋会長は「彼らを、つぶしていいのか…将来、頑張ったら敗者復活のようなものを作ってあげたい。自分で立ち直れるきっかけを作ってあげたい」と語った。

 帰国処分を下され、帰国した足で4人を会見場の壇上に立たせたのも「登壇しなかったら、いろいろなところで追われ、バスケに専念できない」と、会見を開かないことでメディアの過熱報道に4人がさらされることのないように考えてのことだったと強調。「確かに愚かなことはやりました。恥ずかしいこと…でも、この人達のバスケット人生をつぶすことは考えていない」と4選手への“親心”を示した。【村上幸将】