全日本実業団対抗女子駅伝は11月26日、宮城県松島町文化観光交流館前をスタートし、仙台市陸上競技場をゴールとするコースで行われる。予選会であるプリンセス駅伝で3区までトップを走ったパナソニックが、今大会でもダークホースに浮上してきた。

 プリンセス駅伝では1、3、5区の主要3区間を森田香織(22)堀優花(21)森田詩織(22)が区間2位、1位、2位で走った。森田姉妹が双子の相乗効果で力をつけ、堀が今夏のアジア選手権で日本代表に名を連ねるレベルまで成長したことが、パナソニックの躍進を支えている。

 姉妹では姉の香織がスピード型で、昨年12月には15分21秒31とロンドン世界陸上の標準記録も突破した。詩織は姉との比較ではスタミナ型で、プリンセス駅伝では強い向かい風のなかで区間賞に2秒差の走りを見せた。

 堀は6月の日本選手権1万メートルで5位に入賞すると、7月のアジア選手権では、日本選手権優勝者で世界陸上代表の松田瑞生(22=ダイハツ)に先着して銀メダルを獲得した。プリンセス駅伝でも松田や、全日本実業団陸上優勝の松崎璃子(24=積水化学)を抑えて区間賞。今大会でも堂々の区間賞候補だが、堀自身は「もっともっと頑張らないといけない」と気を引き締める。

 プリンセス駅伝では2区の渡辺奈々美(18)も区間賞と好走。静岡・加藤学園高卒のルーキーはトラックでも5試合連続自己新と急成長を見せている。

 昨年就任した安養寺俊隆監督は「故障をさせず、トレーニングを継続することが重要」と、週に2~3回行うポイント練習の負荷を抑えめにした。選手たちは自主練習時のトレーニングを積極的に行い、結果的に練習量は多くなったという。

 安養寺監督は「創部30年の今年8位に入賞して、来年の会社創立100周年にドカーンと行きたい」と話す。家電業界の老舗が若手の成長で頂点を狙う体勢を整えつつある。