全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)が24日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間(42・195キロ)で行われる。JP日本郵政グループは東京五輪マラソン代表の鈴木亜由子(28)トラックで日本代表常連の鍋島莉奈(25)大物ルーキーの広中璃梨佳(19)の3本柱の力で3年ぶりの優勝を狙う。

鈴木は9月のMGCで2位となり東京五輪でのマラソン代表を決めた。マラソンを走れる持久力も持つが元々はスピードランナーとしてトラックで活躍してきた。15年世界陸上は5000メートルで9位、17年世界陸上は1万メートルで10位がその証しだ。鍋島も17年と19年は世界陸上で18年はアジア大会でと3年連続でトラック種目で代表入りした実力者だ。この2人に加えルーキーの広中も5000メートルで今年の日本選手権3位、さらには国体優勝と期待以上の快走を続けている。故障などのアクシデントがなければこの3人が1区(7・0キロ)、3区(10・9キロ)、5区(10・0キロ)の主要3区間に配置される可能性が高い。

鈴木は故障が多い選手でもあったが、昨年からマラソン練習に取り組む過程でこの課題を克服してきた。MGC翌日には「入社してから5年間の積み重ねで自分の体がわかってきました。(故障になるかならないか)線引きができるようになったかな」と話した。

鈴木を最も生かせるのは、スピードとスタミナを兼ね備えるエースがそろう3区だろう。鍋島も3区タイプだが、過去2回、5区で区間賞を獲得している。緩やかな上りが続くコースで無類の強さを発揮してきた。膝下の故障で代表入りしていた9月の世界陸上を欠場したが、時間をかけて焦らず治し、10月末から練習の強度も上げ始めた。

新人の広中に対しては高橋昌彦監督は無理をさせない方針で、今季は世界陸上代表を狙わせなかった。だがこの1年のレース結果と練習を見て、東京五輪への道筋も考え始めたという。

その広中も上りで強さを見せてきた選手だ。今年1月の全国都道府県対抗女子駅伝では後半に上りがある1区で、高校生ながら実業団選手たちを抑えて区間賞を獲得している。

クイーンズ駅伝1区も後半に、かなり傾斜の大きい上りがある。7・0kmは高校駅伝にはない距離だが、広中を1区に起用できれば3区を鈴木、5区を鍋島に任せることができ、日本郵政は最強の布陣が組める。

高橋監督は「最低3位以内」と目標設定をしたが、鈴木は「MGC突破と駅伝優勝」を年頭に神社に祈願した。1つめの目標に続き、2つめもクリアするつもりだ。