全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)が24日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間(42・195キロ)で行われる。積水化学は勝負強さが武器の佐藤早也伽(25)の快走もあって予選会のプリンセス駅伝をトップ通過した。日本屈指のスピードを持つ松崎璃子(26)が復活すれば、優勝も見えてくる。

佐藤が勝負強さに磨きをかけている。9月の全日本実業団陸上の1万メートルでは日本人トップの2位と快走。10月のプリンセス駅伝では最長区間の3区(10・7キロ)を任され、5位でタスキを受けると4人を抜いて7・5キロ地点でトップに立った。その後区間賞の青山瑠衣(30=ユニバーサルエンターテインメント)に追いつかれて並走になったが、最後は死力を振り絞って引き離した。野口英盛監督(39)も「負けず嫌いな性格。あそこまで必死の表情で粘れる選手は少ない」と評価する。クイーンズ駅伝でも3区で先頭争いに加われば、最後はトップで中継する可能性が出てきた。

佐藤の競り合いの強さを引き出すには、1区の出だしが重要になる。その役目は松崎が担うことになるだろう。積水化学はスピードランナーの育成を得意とするチームで、その代表的な選手が松崎だ。11年の全日本実業団駅伝は3・9キロの2区で区間賞を獲得。14年のアジア大会5000メートルでは15分18秒95の自己新で5位に入賞を果たした実力を持つ。

松崎は18年まで日本選手権5000メートルで6年連続入賞を続けていたが、今季は故障で同大会を欠場。プリンセス駅伝1区(区間6位)が、2月に3000メートルの室内日本新(9分9秒86)をマークして以来8カ月ぶりのレースだった。「練習がしっかりできたのはこの1カ月。スピードはあっても、体力、筋力がまだ足りませんでした。クイーンズには今より状態を上げたい」と本番を見据える。

プリンセス駅伝からクイーンズ駅伝の間隔も1カ月。松崎の「体力と筋力」が戻れば、2区で多少順位を下げたとしても、3区の佐藤に好位置でタスキをつなぐことができる。

現在連覇中のパナソニックも、17年大会はプリンセス駅伝を2位で通過してクイーンズ駅伝を制した。16年大会優勝の日本郵政グループも予選会を勝ち抜いたチームだった。

3000メートル障害で日本トップレベルの森智香子(26)は6区の区間賞候補。さらにプリンセス駅伝5区で区間3位と好走した和田優香理(24)ら新戦力も育っている。積水化学にも“予選会から優勝”の可能性は十分にある。