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「輝ける舞台を作って」ボクシング女性会長の野望

大阪・堺市に元世界チャンピオンの女性ボクシングジム会長がいる。野上菜々さん(42)。現役時代、旧姓・好川の名で「美人ボクサー」と呼ばれた。16年、WBO女子世界フライ級王座を奪取。17年、初防衛には失敗したが、同年、39歳で敵地メキシコでWBC女子世界同級暫定王座に挑戦。再び世界のベルトを巻いた。現在、夫で元WBOアジア太平洋スーパーフェザー級王者の真司さん(45)と、ディアマンテボクシングジムを経営。選手の育成に励んでいる。

ファイティングポーズを取る野上会長(撮影・南谷竜則)
ファイティングポーズを取る野上会長(撮影・南谷竜則)

「女性の会長ということで、他のジムの会長から助けてもらってます。男性に負けたくないという気持ちもあります。西日本連盟の仕事も、ただ所属しているだけじゃない。自分から仕事を探して、必要とされる人になりたい」

大阪・羽曳野市出身。経理の仕事などをこなしながら、アマチュアで活躍。南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代らと、12年ロンドン五輪を目指していたが、かなわず。35歳でプロに転向した。

2度世界を制した後の18年4月、「普通の女子に戻ろうと思う」と引退。夫婦でジムを立ち上げた。真司さんからは「世界チャンピオンだったし、女性会長という、違った形で、ボクシング界を盛り上げたらどうだ」と言われ会長に就任した。

細身に見えるが、本人いわく「がっちりしているので、細く見える服を着ている」という。ミットを自ら持ち、男性も教える。選手目線で厳しく指導している。

「ダイエット目的の人にも、選手に教えるように技術を教えているので、試合に出てみたいという人もいます」

現在、元WBOアジア太平洋スーパーフライ級王者の川口勝太が所属。女子選手も10人を超える。今の目標は、指導者として世界王者を育てることだ。

「アマチュアでデビューして3連敗しました。そんな私が、誰も世界王者になると予想してなかったと思います。だけど、そのときの指導者が舞台を用意してくれました。私も選手が輝ける舞台を作ってあげたい。私がそうしてもらったから」

穏やかながら、力強く話した会長に「普通の女子に戻れたか」と問うと、「戻れてないです。久々に会った人に、『目が鋭い』って言われました」と笑った。【南谷竜則】

(日刊スポーツ・コム/スポーツコラム「WeLoveSports」)

【訂正】当初「日本のボクシングジム初の女性会長」と記事にしましたが、初めてではありませんでしたので、見出しと原稿を訂正しました。

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