今季の女子ゴルフは3月3日開幕のダイキン・オーキッド・レディース(沖縄・琉球GC)で始まる。昨季賞金ランキング7位だった勝みなみ(23=明治安田生命)は、米ツアー挑戦も視野にさらなる飛躍を目指している。コーチをつけず「自分で考える」をモットーに、国内メジャー1勝を含む通算6勝。旺盛な探求心を持つ勝に、新シーズンに向けた思いを聞いた。【取材・構成=桝田朗】

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昨季は勝にとって山あり谷ありだった。コロナ禍で20年と21年が統合された長丁場。スランプに陥った20年は0勝。21年は圧倒的な強さで日本女子オープンを制するなど2勝。苦しみながらも自分の成長を実感できた。

「後半戦は1回も予選落ちがなく、悪い時でも予選落ちせずにもっていくことができたのは去年が初めて。そこは成長かな。気持ちの面でも、調子が良いときは許せる範囲がこれくらい、でも悪い時は許せる範囲は倍以上になる。良いときほど狭くなっていくという自分のパターンが見つかったので、すごく面白いなと思います」

プロになる前からコーチについていない勝は自分の経験、一緒に練習する男子プロ、たまたま出会った人々の言葉などを吸収しながらゴルフを磨いてきた。

「1人でやっていて、コーチがいない中、自分で見つけていくしかない。解決策を見つけて、1個見つかれば、またほかのがあれば、1個だめだったとき安心感ができる。ずっと調子が良かったらそういうものもないので、生きている実感がすごくある。伸びしろがいっぱいあると考えたらすごく楽しいです」

目標を「笑顔」と書く勝は、ゴルフのことでは泣かないと決めている。苦境はスランプを肯定的に考える発想の転換で乗り越えた。

「昨年の前半、自分がいいと思ってやってきたことがうまくいかず、報われないときに泣きたくなったことはありますね。でも自分のことでは泣きたくないんです。周囲がブルーになるのが嫌だから。以前一緒にラウンドしたプロ野球のOBの方が『一流にしかスランプはない』と言ってくれて、調子が悪い時も全然楽しくないというわけじゃなくて、そういう時間も大切。スランプが来る人は、もっと成長できるんだって、すごく元気づけられた」

昨年10月の日本女子オープンは2位に6打差の圧勝。史上最年少の15歳で優勝したKKT杯バンテリン・レディースで感じた「ゾーン」に入りかけた。

「(14年の)バンテリンはいい意味で意識が飛んでいて自分を左後ろから客観的に見てゴルフをしていた。自分が打ってるみたいじゃなくてコントローラーで操っている人みたいにプレーするイメージ。それに似ているのが(昨年10月の)日本女子オープン。今年もそういう経験をしたいと思いますし、新たな発見もあると思うので。いつかゾーンに入れる日を願って」

今年も貪欲な探求心を持ってコースを回る。22年の目標を問うと、こう誓った。

「メルセデスランキング5位以内と、メジャー4試合のうち1つ勝つ。あと複数回優勝も2回しかないので3勝以上したい」

◆勝(かつ)みなみ 1998年(平10)7月1日、鹿児島市生まれ。14年8月に日本ジュニア選手権、15年6月に日本女子アマ、同年10月に日本女子オープンのローアマ、昨年10月には日本女子オープンを制し、史上4人目となる日本ゴルフ協会主催競技の日本タイトル4冠を達成。国内通算6勝。157センチ。