五輪の金メダル4個を獲得した北島康介(33=日本コカ・コーラ)が8日、現役引退を表明した。

 男子200メートル平泳ぎ決勝で2分9秒96、5位に終わった。これで出場全種目を終え、5大会連続五輪出場の可能性はなくなった。

 レース直後、会場で行われたインタビューは以下の通り。

 -レースを終えて

 北島 わりとすがすがしい気持ち。最後まで自分なりのレースができたんじゃないかな。結果は良くないけれど五輪行きたい気持ちを、もう1度持ってやれた。僕の中でも頑張り切れたという思いがあるから、悔しいけど晴れ晴れしいというか、やり切った感で今はいっぱいです。

 -泳ぐ前は、幼い頃持った五輪への夢を思ってチャレンジしたい、と話していた

 北島 やっぱり五輪しか、僕には残された道はなかったので。その中で、どうしても五輪に行きたいという気持ちが、去年から自分を奮い立たせて、今この場にいさせてくれていると思っていますし。ここまで選手でいられたのも、最後まで平井コーチとタッグを組んで、悔いなくやれたということは幸せ者です。やっぱり最後は平井先生と五輪に行きたかったというのが本音。長くプロになってから、日本コカ・コーラさんに良いときも悪いときも応援してもらったからこそ、今の自分があると思います。この10年以上、周りでいろいろ変化があったけど、トータルで見て長い期間水泳に携わらせてもらった。選手として最後は不本意だったけれども、これだけたくさんのお客さんに見てもらって、その中で自分のパフォーマンスをここまで高く見せることができた。自信を持って次のステージに行きたいと思います。

 -平井コーチからはレース前、どんな言葉を

 北島 今までと変わらず「よし行ってこい」という言葉。本当にいつもと変わらず送り出してくれるコーチがいたから、頑張れたんだと思います。

 (涙で声を詰まらせる…)

 -コーチへの思いというのは大きい

 北島 (付き合いが)長いから。中学生から見てもらってるんで。弱くなった自分を見て、また自信と強さを取り戻そうとしてくれた平井コーチには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 -今後について

 北島 今後…。(レースが)終わったばかりだから。

 -涙を流すのもこらえていたのではと思うが?と質問したインタビュアーが先に感極まって号泣…

 北島 泣いてんだもん。インタビュアーが。ズルいでしょ。それはズルいわ。

 -次のステージに関しては

 北島 今まではオリンピックに行くことを目標にしていたので。終わってこの数分で次のことを話すのは安易な答えになってしまうので。それは控えさせていただきたいです。