サッカー元日本代表監督の岡田武史氏(60)が10日、神戸市内で行われたラグビー元日本代表監督平尾誠二氏をしのぶ「感謝の集い」に出席した。平尾氏は16年10月20日に53歳で死去。親交が深かった岡田氏は「平尾、今日は関西弁でいくわ。いつもお前が『岡田さんの東京弁、おかしいわ』って言っとったから。今日は関西弁にするわ」と切り出し、壇上で遺影に語りかけた。

 まずは昨年8月、平尾氏から「今月いっぱい療養して、来月復帰するわ」と送られてきたメールについて口にした。「期待しよったけれど、それが最後のメールやったな…」。2人の出会いはメディアが準備した対談。そこでの「俺はスポーツから日本の社会を変えたいんですわ」という言葉に、岡田氏は衝撃を受けた。

 競技は違えど、元日本代表監督同士。岡田氏は98年W杯フランス大会の日本代表監督(3戦全敗)を経て、99年には札幌の監督を務めていた。その年、ラグビーW杯ウェールズ大会に日本代表監督として臨んだ平尾氏は4戦全敗。「あきませんでしたわ。えらいバッシングですわ」との電話に「よう気持ち分かるから、札幌に来い!」と伝えたという。

 「そうしたら、30分ぐらいして『やっぱやめますわ』って言ってきたよな。『マスコミの格好の餌食ですわ。W杯全敗同士』って…。それでやめたよな」

 生前と同じように軽い口調で語りかけていた岡田氏は、最後にじっくりと言った。「なんか知らんけれど、生まれ変わってももう1回、会う気がする。その時は俺の方が葉巻が似合う役割やけどな。今はとにかく、ゆっくり休んでください」。日本のスポーツ界発展を考え続けた2人の、最後のやりとりだった。