フィギュアスケートのバンクーバー五輪銀メダリスト・浅田真央(26)が12日、都内で引退会見を開いた。会見で、終始すがすがしい笑顔を見せていた浅田だったが、最後のあいさつの際、涙して声を詰まらせて2度、報道陣に背を向けた。右手で涙をぬぐい、泣き顔は見せないようにしたが、約53分間の会見の最後に泣いた。

 浅田 皆さん、今日は本当にありがとうございました。(10日にブログで)引退を発表してから、この2日間、温かいお言葉をいただいて、私は本当に晴れやかな気持ちで引退を迎えることが出来ました。ええっ…。スケート人生で経験したことを忘れずに、これから新たな目標を見つけて、笑顔で…前に進んでいきたいと思っています。皆さん、応援、どうもありがとうございました。

 浅田は「引退を迎える」「笑顔」でという部分で2度、感極まり、言葉が詰まった。目には涙が浮かび、こぼれ落ちる寸前で、そのたびに報道陣に背を向けた。1度目に背を向けた時は、背中を震わせ、涙を流すのをこらえた様子だった。それが2回目の時は、右手が小さく動き、目をぬぐっていた。

 会見の中で、浅田は自らを「頑固」と言い、決めたこと、口にしたことは必ず成し遂げると何度か、繰り返した。「晴れやかな気持ちで」迎えた引退会見では、絶対に涙は見せない、「笑顔」というキーワードで臨むことを、心に決めていたのではないか。

 登壇時、満面に笑みを浮かべた浅田は、涙を浮かべ、表情をややこわばらせて降壇した。この日はテレビカメラ50台、スチルカメラ103台、430人の報道陣が集まり、テレビやラジオ、インターネット配信番組などで会見は生中継された。全国のファンに感謝の思いを伝える引退会見の場で、悲しい、寂しい涙は見せない…浅田の競技者としてのプライドが、最後にかいま見られた瞬間だった。【村上幸将】