一関工は初出場初勝利を目指したが、今大会4度の優勝を誇る名門に大敗した。

 後藤靖宏コーチ(45)は「メンバーがそろっている。10人くらいスタメンでもおかしくない」と本年度の戦力の充実さから、チーム内を2つに分け入れかわりで戦う戦術「ツープラトン」を採用し、初の全国大会に挑んだ。すると、第2Qで22-22と同点に追い付き、会場を沸かせた。

 しかし、その後は差が広がるばかりだった。後藤コーチは「相手のディフェンスがゾーンに変わった。それでとまどって、シュートまで意識ができてなかった。最初も点数的にはうまくいっていたが、リバウンドを取り切れなかった」と敗因を指摘した。それでも「能力的には劣っているとは言いたくない。できる部分もあると思う。ルーズボールを拾ってマイボールにすることを徹底したい」と話した。

 嶋田奎介主将(3年)は目を赤くしながら「外角のシュートは通用したし、ゾーンディフェンスもできた」と名門相手に奮闘したと胸を張った。「リバウンドで課題があった。次に生かせる」と初白星を後輩に託した。