フィギュアスケート女子の紀平梨花(15=関大KFSC)が、今年9月の新シーズンからシニアデビューすることが12日、分かった。日本連盟関係者が「紀平選手はシニアになる」と明言。トリプルアクセル(3回転半)を操る15歳が、4年後の22年北京五輪(ペキンオリンピック)を見据え、ジュニアを卒業して、シニアの舞台に上がる。

 2月の平昌(ピョンチャン)五輪は年齢制限で出場資格がなかったが、昨年12月のジュニアGPファイナルでは女子初の3回転半-3回転トーループに成功。全日本選手権も3位に入った。日本連盟は18-19年シーズンに向け、各選手の希望を調査。紀平はジュニア3年目も選択肢にあったが、3回転半がルール上、ジュニアのショートプログラムで使用できないこともあり、シニアを決断。同関係者は「今月下旬にジュニア選手の国内選考会があるが、紀平選手は出ない」。今月末に国際連盟がGPシリーズの各大会に出場選手を振り分ける形だ。

 紀平は練習で4回転サルコーも成功させている。ロシアの13歳トルソワは試合で4回転のサルコーとトーループに成功。男子に続いて女子にも「4回転時代」が到来する可能性がある。高難度ジャンプを跳ぶ紀平はロシア勢に対抗できる、日本の宝といえる存在だ。

 日本女子は、14年ソチから五輪2大会連続メダルなし。22年北京五輪でのメダル獲得は大命題といえる。日本が誇る天才ジャンパーが、4年後を見据えて、いよいよシニアに挑戦する。

 ◆紀平梨花(きひら・りか)2002年(平14)7月21日、兵庫県生まれ。16年9月、ジュニアGP第5戦のスロベニア大会で3回転半に成功。昨季は全日本ジュニア選手権で初優勝、全日本選手権で3位に入った。153センチ、41キロ。