桜丘(愛知)が76-65で帝京長岡(新潟)に勝ち、同校初の3位に輝いた。

桜丘はエースのSF富永啓生(3年)が、第1Q終了と同時に、観客の度肝を抜く自陣から15メートル余りの3点シュートを成功させ、19-12として勢いに乗った。前半は39-25とリード。後半、追い上げられる場面もあったが、逃げ切った。

前日の準決勝で福岡第一(福岡)のゾーンプレスの前に、逆転負けを喫した江崎悟コーチ(57)は「ヘビににらまれたカエル。ちょっとプレスで構えられたら、切れるガードがいない。あんなになるもんかねー」と天を仰いだが、この日は晴れやかな表情。「富永以外、始めは何もできない子たちが、ここまでくるとは思っていなかった」と選手たち健闘をたたえた。

前日敗戦後のミーティングを選手たちに任せると、夜遅くまで話し合いが続いた。試合運びのキーになるPG小嶋悠斗(3年)とセンターの留学生セン・マムリバス(3年)が「よくコミュニケーションをとってくれた」と江崎コーチは笑顔を見せた。そして、エース富永については「投げることは天才的。そこはパスだろう、というところもあるが、一言も言わず、シュートを決めてこい、と徹底してきた。将来、日の丸を背負って、シューターとして活躍してほしい」とエールを送った。

第1Qのチーム19点中16点など46得点の富永は、この日も3点シュート6本を成功させた。「得点王を狙っていたので46点取れたのはうれしいけど、60点いきたかった」と言いながらも、「今日の試合はチームメートにも助けられながら勝つことができて良かった。昨日は自分が決める気持ちばかりで、アシストがあまりなかったので苦しんだ。今日はアシストを多く取り入れて、ディフェンスがつきにくい状況を作れたので得点につながったと思う」と笑った。

第1Q最後の3点シュートは「打った瞬間入ると思った」という。また、試合運びについては「昨日は後半焦ってしまい、自分たちのミスが多かった。ハーフタイムで先生に、昨日みたいにならないよう気持ちを引き締めろと言われ、うまく試合を作れたと思う」と振り返った。初のウインターカップ出場で、対戦相手のディフェンスが強く「簡単にはいかない」と実感した。途中足がつりそうになってベンチでケアしている時、コート内の選手には「逃げるな。アグレッシブにいけ」と声をかけた。

卒業後の進路はまだ、決まっていないが、「いずれはNBAにいきたいと思っているので、自分に合ったところに入りたい」と話した。