スケートボードで連覇を狙う池田大亮(18)が、左ヒザを痛めながらも予選を2位通過した。池田は本来のトリックを出せずに苦しみながらも、得意のマックツイストを決めて87・0点をマーク。90・0点でトップのK・ジョンソン(米国)に続いた。

すでに世界最高峰のプロリーグSLS参戦を決め、東京オリンピック(五輪)代表争いでも有利に立つ池田。無理をする必要はなかったが「まあ、できるので出ました」と笑顔で話した。半月板を痛めた左ヒザは思うように曲がらず、普段の大きい階段を使ったトリックなどは封印した。それでも「できることはできるし、やれるだけやろうと思って」と淡々。準決勝、決勝に向けて「大丈夫です」と話した。

5月20日からは東京五輪出場資格に直結するSLSロンドン大会が始まる。今回は海外のトッププロも出場せず、五輪予選でも関係ない。本来ならば大事な一線を前に休んでもおかしくない。いや、普通なら休む状況だ。それでも「できるから」とやってしまうところが遊びの延長でもあるスケートボードらしい。周囲も過保護になることなく、本人の意思を尊重する。

池田にとって、この大会は魅力的だった。優勝した昨年はFISEモンペリエ大会に招待出場。「今回も上位に入って、招待されたい」と話す。スケートボードの国内大会で、これほど観客が集まる大会もない。「多くの人に見てもらえるチャンス」と、競技の普及を頭に入れて話した。

この日、BMXフリースタイル・パーク予選を3位通過した中村輪夢(17)とは競技は違うが親しい仲。池田の活躍に刺激をうけた中村が「自分も頑張らないといけないと思った」と言えば、池田も「FISEとか他の大会で一緒になる。自分も刺激される」と話した。

前日、新幹線の自由席で広島入りした。名古屋まで席が空かなかった。それでも「すごく混んでて、大変だったんです」と笑い飛ばした。「連覇、したいですね」。大好きなFISEでの2年連続優勝へ、池田はたくましく言い切った。