今季シニアデビューしたロシアの新星、アリョーナ・コストルナヤ(16)が世界最高得点で首位発進を決めた。全てのジャンプをほぼ完璧に決めて、85・04点をたたき出した。「常に新しい記録は目指している」と喜んだ。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を難しい入りから鋭い回転でまとめて難なく決めて2・407の加点を引き出すと、後半の3回転フリップ-3回転トーループでも2・42点を加えてみせた。ステップでもしなやかさとキレを織り交ぜる滑り、動きは見事だった。

同門には4回転を跳ぶシェルバコワ、トルソワがいるが、明確に自分が進みたい道がある。GPデビュー戦となったフランス杯で優勝後に語ったことがある。

「今、11~12歳の女の子たちが4回転をポンポン跳んでいるようになって、自分もそれをマスターするか、あるいはコストナー(イタリア)の滑りのようなものをマスターするか。その両方のやり方があります。コストナーは本当に美しく、人々の心を奪うような気持ちが入った演技で、すべての動作が完璧でした」。

思い入れを込めたのは表現力、随一のスケーティング技術を誇ったカロリーナ・コストナーの演技について。理想型が具体像を結ぶからこそ、4回転競争からはあえて距離を取り、追求すべきものがある。

「待ち遠しかった」という日本での大会で、フランスに続き世界を驚かせた。

◆アリョーナ・コストルナヤ 2003年8月24日、ロシア・モスクワ生まれ。ザギトワらを担当するトゥトベリゼ・コーチの指導を受け、同国のトップアスリート養成学校「サンボ70」で練習する。18年ロシア選手権ではシェルバコワ、トルソワに続く3位に入り、ジュニア3人で表彰台を独占。18年ジュニアGPファイナル優勝。151センチ。