沢木敬介氏がサンウルブズコーチ就任/インタビュー

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  • ラグビーの現在、未来について語るサンウルブズ・コーチングコーディネーターの沢木敬介氏(撮影・浅見桂子)

ラグビートップリーグのサントリー前監督、沢木敬介氏(44)がスーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズのコーチングコーディネーターに就任した。昨年のワールドカップ(W杯)で解説者として日本代表の躍進を見届け、11月末でサントリーを退社。SRで、プロのコーチとしての新たな1歩を踏み出す。2月1日の開幕を前に、サンウルブズについて、ラグビーの今後について、沢木氏に聞いた。【聞き手=荻島弘一、奥山将志】

-W杯が終わって、思い切った選択でしたね

沢木 自分のコーチングを、もっとレベルアップしたいという決断です。サントリーにいれば安定しているけれど、サラリーマンのままコーチングにチャレンジするのは無理。(サントリーの)監督を辞めてからラグビー以外の人と会う機会があって、話を聞いて。人生1回しかないから。

-サンウルブズを選んだ理由を教えてください

沢木 やっぱりSRですね。日本ラグビーを良くしたいというのもあるし、そのためにしっかり学んでいきたい。SRの経験は、今後のコーチングに必ずプラスになる。将来のことは漠然としているけれど、トップのコーチになって、縁があれば代表とかは目指さなければという思いです。

-サンウルブズでは(サントリーで同期の)大久保監督と一緒ですね

沢木 2人で仕事するなら、彼が監督の方がいい。彼は全体をマネジメントする能力が高い。僕はラグビーに特化して、どっぷりつかりたいと思うほう。監督とは違う、もっとオタク的なことができる。よりピッチ内に集中したいし、そこを徹底的にやりたい。

-ただ、日程がトップリーグ(TL)と重なり、メンバー集めは大変ですね

沢木 僕も大久保もTL監督の経験があり、難しいのは分かる。その中で、パナソニックなどが選手の成長のために出してくれるのはありがたい。SRのレベルでプレーして、あの強度を体験できるのは大きい。中村亮土とかはサンウルブズでの成長をW杯につなげていた。ムーアや姫野、ラファエレとかも。SRの強度でプレーできれば、インターナショナルレベルにも間違いなくつながる。

-今回は(早大SH)斎藤など若手が入ります

沢木 斎藤は次のW杯で代表に食い込まないといけない選手。能力は高いが、まだ学ぶことはある。SRの経験は、すごい成長につながる。(天理大CTB)フィフィタもそう。いろいろな国からくる選手から学ぶこともあるし、それがサンウルブズの良さ。SRはタフな選手しか生き残れない世界。日本代表資格がある選手は、23年W杯へ「きっかけ」にしてほしい。

-21年のSRからの除外が決まり、サンウルブズは今年限りになりますが

沢木 今後のことは分からないけれど、選手がサンウルブズでプレーしてよかった、見た人が楽しかったと思えるようなチームにしたい。日本ラグビーに追い風が吹いているタイミングだし、良い勝ち方をしながら盛り上げていきたい。

-ラグビーのプロ化の話も出ています

沢木 企業が発展した形になるのか、違う形のプロリーグができるのか分からないけれど、最終的に組織全体がプロにならないといけないと思う。もちろん、アマチュアの大事な部分もある。ラグビーとして継承しないといけない部分。それが日本の文化なのかもしれない。ただ、世界のベスト8でプロクラブでないのは日本だけ。どういう形であれプロは必要。そのために、選手だけでなく、チームディレクター、GMもプロにならないといけない。コーチもプロになることが求められるんです。

◆沢木敬介(さわき・けいすけ)1975年(昭50)4月12日、秋田県男鹿市生まれ。秋田経法大付高-日大を経て98年にサントリー入り。SO、CTBとして活躍。06年から6年間、サントリーでコーチを務め13年にU-20日本代表監督に就任。15年W杯イングランド大会では日本代表コーチとして南アフリカ戦勝利などに貢献。16年にサントリー監督に就任してトップリーグ連覇後、昨季限りで退任。今季、サンウルブズのコーチングコーディネーターに就任した。