競泳男子の松元克央(23=セントラルスポーツ)が9日、千葉県内で記録会に出場した。昨夏世界選手権で銀メダルを獲得した200メートル自由形で1分46秒69の1着。自身が持つ日本記録1分45秒22まで1秒47差とまずまずのタイムだった。

松元は「タイム的にも悪くないので安心した気持ち。今の実力としてつなげていきたい」。8日には約半年ぶりのレースとなった100メートル自由形で48秒94をマーク。「どんどん新しい泳ぎをみつけて、過去の自分を超えていきたい」とした。

金メダルを目標に掲げた東京五輪は3月に延期が決定。海外高地合宿などで過酷なメニューをこなして、体を作り上げていた。当時を振り返って「せっかく頑張ってきたのに、悲しい。何のためにやってきたのか、複雑な気持ちになった」。新型コロナウイルス感染拡大は収束せず、まだ完全に気持ちを切り替えられない。「来年、本当に(五輪が)あるのかという部分。絶対に開催されるといってほしいけど…」と、苦しい胸の内を吐露した。

瀬戸大也が3日に「自分を見失っている」と発言したことについて「自分を見失う、というのはわかります。思っていることは同じなのかなと思う」と松元。それでも「ずるずる引きずって、情けない練習をする自分が嫌。でもいい練習もできない。それこそ五輪があるかどうかは時がたってみないとわからない。五輪がある、という前提で頑張りたい」と口にした。