東京都特別大会の競泳が22日、全日程を終了した。小中高共通の部が東京辰巳国際水泳場で行われて、通算で10日間にわたった大会が終了した。主催した東京都水泳協会の北島康介会長は、競技会に即した感染症対策のガイドラインを策定して、大会を運営。「選手たちが感染症対策を徹底してやってくれた。これまで感染の報告はなく、主催者側としてはうれしいところ」。この日が38歳の誕生日だった北島会長は、納得の表情で大会を振り返った。

同大会は東京都水協がレースがなくなったスイマーたちに実戦の場を提供する「救済大会」。小、中、高、小中高共通、シニアと5部門に分かれて開催された。最初の大会はシニアの部で、池江璃花子(20)が白血病からの復帰レースとなった8月29日だった。北島会長は10日間すべてで会場を訪れて「来られる時は見に来ようと思っていた。毎週のように連続で試合をやっていく中で、選手もようやく強化ができるようになってきた」とした。

この日の最終レースでは男子100メートル自由形で柳本幸之介(日大豊山2年)が、日本高校記録を8年ぶりに更新する49秒41で優勝。「出るとは思ってなかった」と喜ぶ柳本を見て、北島会長は「今後が楽しみ。高校総体、全中がなくなった中で、こうやって結果を残す選手がいる。モチベーションを自分の中で持っている選手は成長できる。自分自身とどう戦うか、自分自身が何をすべきか。東京都から日本を代表する選手が出てきてほしい」と目を細めていた。【益田一弘】