GP初優勝を目指す坂本花織(20=シスメックス)が、新しいジャンプ構成でレベルアップを図る。

フリー「マトリックス」の曲をかけての通しでは、得点源のフリップ-トーループの連続3回転ジャンプなどを着氷。「ずっと無観客でやってきて、久しぶりにお客さんが入る試合。むっちゃ楽しみです」と気持ちを高ぶらせた。

この日はフリーを披露したが、ショートプログラム(SP)で新しい挑戦が待っている。前戦の西日本選手権まではダブルアクセル(2回転半)、フリップ-トーループの連続3回転、基礎点が1・1倍となる演技後半に3回転ループを組み込んでいたが、今回はフリップ-トーループの連続3回転を後半へ。さらには3回転ループを基礎点の高いルッツに変更する。

変更の理由については「突然、ブノワ先生からラインが来ました」と笑った。フランス人振付師のブノワ・リショー氏から「平昌五輪シーズンは全部ジャンプは後半だったから、できるだろう」と促され、坂本も「今までは(演技後半の)ループで加点をとって、点数を稼ぐっていうやり方でやっていたんですけれど、そろそろ点数の限界を感じてきた」と新しい構成で練習を積んできた。

17-18年のシニア転向後、GPシリーズは4季連続出場。17、18年はスケートアメリカで2年連続2位となるなど、頂点まであと1歩の成績を残してきた。初優勝の期待が高まるが「いつもだったら周りを気にしているけれど、今回はあんまり考えていない。気にしていないので、自分のことに集中できていると思います」。最高の演技をした先に、待ち望んだ結果が見えてくる。【松本航】