QBトム・ブレイディ(43)が前人未到の7度目の頂点に立った。6度優勝したペイトリオッツから今季バッカニアーズ(NFC南地区2位)に移籍。V2を狙うチーフス(AFC西地区1位)にFGで先制されたが、3TDパスを決めて前半で逆転した。31-9の快勝に貢献し、4年ぶり5度目のMVPも獲得した。本拠地開催のスーパーボウルに史上初めて出場したチームを、一気に18季ぶり2度目の制覇に導いた。

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王者ブレイディの独壇場だった。10度目のスーパーボウルで、初めて前半で3TDパスを決めて勢いづけた。連覇を狙うチーフスを寄せ付けず、7個目のスーパーボウル・リングをつかみ取った。「われわれは永遠に今季の王者で、誰も奪うことはできない」と、長女ビビアンちゃんとトロフィーを掲げた。

10年目のホットライン開通がノロシだった。TEグロンコウスキーにまず8ヤードパスで逆転。スーパーボウルで第1Q初のTDパスで波に乗る。第2Qには相手のミスパントからFG成功も相手が反則を犯す。再びミスに付け込んで攻撃を続け、相棒に17ヤードで連続TDパスを決めた。

グロンコウスキーは18年まで9年間、ペイトリオッツでターゲットだった。19年に引退してプロレスデビューしたが、ブレイディ移籍に合わせて復帰。プレーオフではレシーブ2回だけだったが、大一番で最高のコンビを復活させて勝利へ突き進んだ。

前半残り1分1秒で8点差から真骨頂を見せた。相手が攻撃時間を残すためにタイムアウトを使うが冷静にダウンを更新。さらにロングパスで反則を誘う。敵陣でもFGでなくTD狙いのパスで再び反則を誘い、最後はWRブラウンへのTDパスで突き放した。

20年在籍して6度優勝したペイトリオッツから新天地に移った。喜ぶWRゴッドウインからは慣れ親しんだ背番号12を譲り受けた。一方でコロナ禍のために公園で練習し、9月には両親の感染もあった。11月のリーグ戦では2インターセプトでチーフスに敗れた。

その時点の7勝5敗から8連勝の快進撃を演じた。OL陣には腕時計を贈り、さまざまな苦難にもチームを鼓舞して団結を深めた。「困難を乗り越えたこのチームは、自信にあふれている。最高のタイミングでチームが一つになった。最高の試合ができた」。

ブレイディは史上最高を意味する、グレーティスト・オブ・オール・タイムから「GOAT」と称される。18歳差の新旧QB対決を制し、世代交代を阻んでみせた。45歳まで現役宣言し「また来季もここに戻ってくる」。まだまだ伝説を終わらせるつもりはない。

○…観衆は2万4835人が詰め掛けた。このうち7500人は医療従事者が招待された。通常の収容人員は6万5618人の約40%に制限され、マスクも配布されて着用が義務付けられた。空席には3万人分のファンの写真パネルが掲示された。

◆トム・ブレイディ 1977年8月3日、米カリフォルニア州生まれ。高校時に捕手でMLBエクスポズにドラフト18巡指名された。ミシガン大で3年から先発で、00年ドラフト6巡目全体199位指名でペイトリオッツに入団。01年に3試合目から先発し、最年少QBのスーパーボウル制覇でMVPも獲得した。通算7度優勝、年間合わせMVP8度。193センチ、102キロ。09年に結婚したスーパーモデルのブンチェン夫人と1男1女がいる。

◆タンパベイ・バッカニアーズ NFL27番目のチームとして、リーグ拡張に合わせて76年に発足した。1年目は14戦全敗で、翌年含めて26連敗はNFLワースト記録。02年シーズンにレイダーズを破ってスーパーボウル初制覇。ニックネームはラジオ局で公募され、17世紀にフロリダ湾沿岸で活動していた海賊の呼称バッカニアーから。「海賊のようにハイスピリットで攻撃的に」と選ばれた。

<ブレイディ優勝記録メモ>

◆7度目 先発QBとして3年ぶり7度目は自己の最多記録を更新。2位はジョー・モンタナの4度。ペイトリオッツとスティーラーズのチーム最多優勝も上回った。

◆5度目 4年ぶり5度目のMVPは自己の持つ最多記録を更新した。年間MVPは3回。2つのMVPを複数回受賞はジョー・モンタナと2人だけ。

◆2人目 先発QBとして2チームで制覇は2人目となる。過去は前日殿堂入りしたペイトン・マニングが、07年コルツ、16年ブロンコスで優勝して以来。

◎バッカニアーズ

◆史上初 55回目の大会で、本拠地開催のスーパーボウルに史上初めて出場した。タンパでは5度目の開催で、ホームチームは出場できないというジンクスを打破した。

◆悲願のホーム優勝 タンパをホームとするチームの優勝決定戦進出は今季3チーム目で、初めてホームで優勝した。昨年、MLBレイズはワールドシリーズでドジャースに敗れ、NHLライトニングは優勝したものの、ホームゲームがなかった。