男子66キロ級決勝で、加藤学園の岡本治祈(はるき、2年)が連覇を狙った静岡学園の辻本龍基(2年)を下し、初優勝を飾った。互いに譲らずに突入した延長11秒、豪快な内股を決めて一本勝ち。昨年の準々決勝で敗れるなど、小学校時代の初対戦から全敗だった天敵に雪辱を果たした。

大会約1カ月前には、左足首を剥離骨折した。10日間以上の離脱を強いられたが、苦難も乗り越えてつかんだ栄冠。「正直、決めた技も分からなかった。夢のようだった」。父でもある謙治監督(43)も「けがもあって(辻本に勝つのは)厳しいと思っていた」と、予想を超える長男の奮闘に目を丸くした。

男女各階級の優勝者は、来月19、20日に日本武道館(東京)で行われる全国高校選手権に出場。個人戦では初の大舞台に挑む岡本は「父と全国に出たい気持ちが強かった。8強以上を目指したい」と、決意を新たにした。【前田和哉】

○…女子57キロ級は東海大静岡翔洋の杉山月琉(るる、2年)が2連覇を飾った。富士市立の上原愛菜(2年)に苦戦したが、延長1分5秒、横四方固めで一本を奪った。昨年は新型コロナウイルスの影響で全国選手権が中止に。2年ぶり開催予定の大舞台に向け「今日は自分の柔道ができなかった。全国優勝を目指して、もう1度見直したい」と反省を忘れなかった。

【他階級の優勝者】▽男子60キロ級 内藤蒼太(浜松工)▽同73キロ級 村上大心(静岡学園)▽同81キロ級 長沢篤希(静岡学園)▽同無差別級 野村晟也(加藤学園)▽女子48キロ級 百田久奈(藤枝順心)▽同52キロ級 菅沼りさ(沼津)▽同63キロ級 片桐明日美(浜松商)▽同無差別級 杉田菜奈(東海大静岡翔洋)※学年は全て2年