体操の個人総合で争うNHK杯は20日、世界選手権(9月、ベルギー)代表3次選考会を兼ねて東京体育館で開幕する。

公式練習日の19日、男子で3連覇が懸かる橋本大輝(21=順大)は落ち着いた表情をのぞかせた。

「今、けがもありますけど、そんな中でもやっぱり試合は待ってくれないので。どんな状況でも、できる選手になりたいって思ってるので。今は心の余裕を持って、連覇よりは、自分の出したい体操、出したい演技をしっかり集中して、できる限りの準備を進めてる。モチベーションが下がったりっていうのはないかな」。

先月、3連覇した全日本選手権開幕前に、年明けに腰の疲労骨折の診断を受けたと説明していた。完治はまだだが、焦りや不安を感じさせない。

鉄棒では見据えていた構成は断念している。全日本優勝後には、カッシーナからコールマンの連続技も組み込みたい意向も示したが、自重する。

「全日本後に、疲れて取り組めなかったっていうところと、最近カッシーナの動きが違うかなっていう違和感がずっと残ってたので。それだったらやらない方がいいかなと。もうやめるっていう風に決めました」。5月に入って決めて、心に迷いを生ませなかった。従来であれば、難度を落とすことにはマイナスな感情が大きかったが、日本のエースとして君臨するいまは、心境が変わってきた。

「やっぱり、自分が来年パリ(五輪)に向けて、どうやって戦っていくかっていう模索であったり」。

世界選手権代表には内定している。大一番を逆算すれば、無用な焦燥感は要らない。なにより、できる最大の難度で構成しなくても、その分を出来栄えに還元すれば、十分に勝てる自信がある。

幸い、腰の状態は快方に向かう。全日本後の診察では、コルセットもせずに動いていたのも関わらず、骨がくっつき始めていると驚かれたという。

「動いてて、こんなにくっつくことはありえないって言われたので。『あ、治ってるんだ』って思いながら。もうちょっと時間はかかりそうだなって思ってます」。

そう柔らかにほほ笑んだ。

女子が20日、男子は21日に競技が行われる。