競泳の日本選手権が7日までの4日間、東京アクアティクスセンターで行われた。16年リオデジャネイロ五輪男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介氏(31)が試合を総括した。

8月のパンパシフィック選手権(米国)の代表選考会を兼ね、派遣標準記録を突破して、新たに代表に追加されたのは2選手だった。大会開催時期についての考えを示した。【取材・構成=保坂果那】

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今大会は3月の日本選手権ですでにパンパシフィック選手権の代表に決まっている選手と、まだ決まっていなくて残りの枠をかけた戦いがあった。いつもの日本選手権や代表選考会のように、みんながピリピリしているというよりは、選手によって臨む価値が違った。

8月の本番直前、1カ月くらい前に開催しても良かったのかなと個人的には思う。アメリカでは、本番と代表選考会の間を短くすることによって、そこでピーキングを持って来て、刺激を入れて、あとは整えるだけという流れ。今大会の時期は、ピーキングの途中の期間で、なかなかタイムとして出すのは難しかった。選手たちにとっては大変だったけど、我々は与えられた大会で頑張るだけなので、そこは言い訳せず、頑張っていたと思う。

男子100メートル平泳ぎで初優勝した岡留大和選手は今大会で派遣標準記録を突破して、新たに代表に追加された。大学からアメリカ(カリフォルニア大バークレー校)に行ってさらに実力をつけて日本に戻ってきて、非常に素晴らしい記録を出していた。パリ五輪代表の平井瑞希選手もアメリカ(テネシー大)に進学した。海外の大学に行く選手は今まですごく少なかったけど、いいこと。日本の大学にとってみれば、速い人材が海外に行ってしまうという面はあると思うけど、選手自身のことを考えてみたら、新しい価値観に触れたり、どんどんチャレンジして吸収して、アメリカでやっている練習などを日本競泳界に還元できるようなことがあればさらにいい。

平井選手は今回代表入りはできなかった。まだ環境が落ち着いていないタイミングでの代表選考会だった。でも今年は中間年なので、今できることをしっかり行うことがロサンゼルス五輪につながる。留学1年目はまず生活に慣れ、勉強を頑張ってほしい。

3月の日本選手権で平泳ぎ3冠の大橋信は200メートルで優勝したが、世界的にすごく注目されている選手。彼はピッチが速い泳ぎを一番得意としている。身長が非常に大きいわけではない(169センチ)けど、体を大きく使ってピッチの速さで追うことができる。ストリームラインを取っている時も水面近くで抵抗の少ない泳ぎができている。日本競泳界を引っ張っていく存在になってほしいし、金メダルを取れる逸材だと思っているので、さまざまなチャレンジをしながら金メダル、そして世界記録を目指して頑張ってくれることを期待している。(16年リオデジャネイロ五輪金メダリスト)