【レジェンドのその後】青木功は今も歩いて18ホール 80歳目前、健康不安まったくなし

一線を退いてもまだまだ元気だ! 往年の名選手、指導者の気になる今を紹介する「レジェンドのその後」を蔵出しして毎週金曜日に配信します。今回は日本ゴルフ界を引っ張り続けている“世界の青木”こと、青木功さんです。(2020年8月4日紙面より。年齢、所属など当時)

レジェンドのその後

高田文太

<プロゴルファー、日本ゴルフツアー機構会長>

ツアー通算51勝、賞金王5回の青木功(77)は、現在も男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)の会長を務め、日本ゴルフ界を引っ張り続けている。80年全米オープンで、帝王ジャック・ニクラウスとの死闘の末に2位となるなど「世界の青木」として海外のゴルフファンも魅了。当時と変わらず、好きなゴルフと関わり続け、歩くことと水分補給を意識して健康を維持している。

◆青木功(あおき・いさお)1942年(昭17)8月31日、千葉・我孫子市生まれ。我孫子中卒業後に東京都民ゴルフ場にキャディーとして就職後、64年プロ入り。独特のスタイルで打つパット、アプローチの名手で、ツアー通算51勝、賞金王5回。78年に英国開催の世界マッチプレー優勝、83年にハワイアンオープンで米PGAツアーでの日本人初優勝など、海外レギュラーツアー4勝。80年全米オープン2位は現在も日本人男子メジャー最高位。米シニアツアー9勝。04年に日本人男子初の世界ゴルフ殿堂入り。16年3月にJGTO会長就任。家族は夫人と1女。180センチ、80キロ。

05年10月、日本オープン初日 1番のティーグラウンドで談笑する、左からジャンボ尾崎、青木功、中嶋常幸

05年10月、日本オープン初日 1番のティーグラウンドで談笑する、左からジャンボ尾崎、青木功、中嶋常幸

「ゴルファーである以上、体づくり」

今も、時間を見つけては、カートを使わず全て歩いてコースを回る。「9ホールだけじゃつまらないじゃない。やっぱりゴルフは18ホール回らないと」。歩くことが健康に良いことを、身をもって示しているのが青木だ。「仲間とかとゴルフをやるとなった時に『最近やってないから』という言葉で逃げたくない。試合には出ていないけど、ゴルファーである以上『よし、やろう』と言える体づくりはしている」と笑顔で胸を張った。

80年7月 全米オープンから帰国した青木

80年7月 全米オープンから帰国した青木

毎朝10~15分の散歩と、器具なども使った柔軟体操が日課だ。計1時間程度。「筋肉を維持する運動。筋肉に張りが出るし、柔軟性も出てくる」。16年3月にJGTO会長に就任。平日は会議やスポンサー回り、男子ツアーがあれば週末も関係ない。多忙な生活が続き、同世代の数倍あった歩く量が激減。肩こりを初めて経験するなど体に異変が出始めた。緊急事態宣言下は自粛したが、時間を見つけてコースに出るのも、歩く量を増やすのが狙いだ。

現在は午前8時前に起床し、午後10時半までに就寝という規則正しい生活を送る。日米や欧州、オーストラリアなど世界のツアーで戦い、シニアツアーも国内外で実績を残すなど長く一線で活躍。そんな当時を振り返り「試合に出ていると2食になりがちだけど、出なくなって3食になった。以前よりも真面目な生活。こんなこと人生で初めてかな」と豪快に笑う。苦手だったヨーグルトも、豆乳を使ったものに出合い腸が活性化。毎日食べている。

青木功ハワイアンオープン優勝 帰国 ハワイアンオープンで優勝し帰国した青木功 1983年2月

青木功ハワイアンオープン優勝 帰国 ハワイアンオープンで優勝し帰国した青木功 1983年2月

1日1.5~2リットルの水分補給

海外選手のパワーに対抗しようと「昔は油っぽいものや肉を食べていた」という。現在は外出先にオリーブオイルを持参し、行きつけの店で使ってもらうなど健康管理に努める。さらに気を使っているのが水分補給。「若い時は『水を飲むな』と言われたけど本当は水を飲まないといけない。平均で(500ミリリットルのボトルを)1日3、4本飲む」。約15年前に右足ふくらはぎに、こむら返りを起こしてゴルフ場から救急車で病院へ。「強烈な痛みで立てなかった」というが、医師に「水分不足です。どこも悪くないです」と言われた。これがきっかけだった。

21年10月、ZOZOチャンピオンシップで優勝した松山(左)はJGTO青木会長と笑顔

21年10月、ZOZOチャンピオンシップで優勝した松山(左)はJGTO青木会長と笑顔

タバコは07年にきっぱりやめ、酒は「若い時の3分の1」に減らした。健康面に全く不安がない。今月31日には長年のライバル尾崎将司、中嶋常幸との「AON」が8年ぶりにそろうエキシビションマッチも予定。「思い出でありながら思い出すってやつだよ。やり始めたら3人とも絶対に負けたくないって顔をするよ」と、楽しみで仕方なさそうだ。そんな青木の考えは「今が大切。今できなきゃ、来年のことは考えられない」。肉体以上に気持ちの若さが、健康の最大の理由なのかもしれない。

【「レジェンドのその後」は毎週金曜日に配信します。お楽しみに!】