【イチロー大相撲〈19〉】性格は?取り口は? 伊勢ケ濱部屋の関取を照強が語る

3月の春場所で新入幕の尊富士が初優勝を飾りました。初場所の横綱照ノ富士に続き、2場所連続で伊勢ケ濱部屋の力士が幕内を制しました。

熱海富士、翠富士、錦富士、宝富士を含め、年代、取り口ともに多士済々。4月からは宮城野部屋力士が転籍してきたことで、稽古場はさらに活気づいています。

3月に引退した元幕内照強の福岡翔輝さんに、これまでの同僚について語ってもらいました。

大相撲

宮城野部屋の力士が転籍したことにより、伊勢ケ濱部屋の関取は、伯桜鵬を加えて7人になりました。

今回は元幕内照強に関取衆の素顔も含めて紹介してもらいます。企画の性質上、3月までに在籍していた6人の関取を取り上げます。

1回でも多く優勝を

「自分が関取に上がる前、付け人つかせてもらいました。関取になってからも世話になりました。

照ノ富士関が、幕下以下まで落ちた時のことも知っています。(糖尿病など)自分の病気と向き合って、稽古して…。復活できたのは、奥さんの存在も大きかったと思います。師匠やおかみさん、周りの支えも大きかったのではないでしょうか。

相撲は、まわしを取ったらとにかく強い。力も強いです。意外と器用なので、左四つでも相撲が取れます。腰を振りながら、まわし切るのもうまい。

もともとの性格は、陽気で人なつっこい。今は横綱なので、周囲とはあえて少し距離を置いて付き合っている感じもあります。今の地位がそうさせるのでしょう。今までいろいろと、ありましたからね。

今後は、1回でも多く優勝してもらいたいです。まだ先ですが、引退する時には笑って引退してもらいたいです」

「サク」

「ほんまに稽古熱心で、真面目っすね。裏表がない性格です。本名が朔太郎なので、「さく」って呼ばれています。

入ってきたころ強かったけど、ウチの部屋は稽古するので、体がでかくなってさら強くなった。メシはよく食べるっすね。どんぶりを持ってきて、自分で食って、自分で太った感じです。

少し腰が高いので、腰が降りればもっと上を目指せると思います。

自分が関取の時、付け人についてもらいました。真面目なので、やることは確実にやります。

土俵上でもっと厳しくいって頑張れば、大関もいけると思います」

真面目というよりは…

「自分が関取の時、付け人についてもらいました。神経は太いと思われています。真面目といよりは、臨機応変に対応できて、やり方が賢い。要領がいいタイプ。稽古にしても要領よくやっています。

相撲は、自分の体を分かっています。自分もそうですが、自分の体は自分でしか分かりませんから。

本場所では肩すかしを決めますが、稽古場ではあまり見ません。稽古場ではとにかく前に出ろと言われますから。

肩すかしが決まるのは、しっかりとやることやっているからです。相手を押して、相手を起こしているからこそ、肩すかしが出る。

軽量かもしれませんが、もっと食えとはもう言われてません。自分でうまく調整しながらやっています。あまり太っても、膝が悪くなったりしますから。

今後ですか? ケガをしなければ三役くらいなるんじゃないかですかね」

意外と…

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。2023年11月から、日刊スポーツ・プレミアムの3代目編集長。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。 X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで、大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。