【第43回】
悪循環に陥る夜型生活
睡眠障害(1)
「眠ろうとするんですが、学校の出来事や、覚えなければいけない算数の式とかが頭に浮かんでなかなか眠れないんです」という都内の区立小学校6年のK子さん(12)は、私立中学受験を目指して、週4回学習塾に通っている。
学校から帰宅すると、お母さんのつくったお弁当を持って塾に通う。塾での勉強は7時から10時近くまで続く。10時半すぎに帰宅すると、塾の復習、学校の宿題をする。入浴をすませてベッドに入ると、12時近くということもしばしばだが、最近、ベッドに入って眠ろうとしても、目がさえて寝つくまでに1時間以上かかる日が増えている。当然朝起きるのがつらく、午前中はボーッとしていることが多いという。
睡眠障害に詳しい熊本大発生医学センターの粂和彦医師は、思春期には、睡眠不足が深刻なことが多く、生活習慣に伴う体内リズムの乱れや、塾、スポーツ、刺激の強いテレビ番組などの影響で寝つきが悪くなることが原因だという。「眠れない、日中の眠気がひどい、朝起きられないという子どもたちに話を聞いてみると、深夜まで塾で明るい光を浴びて、頭を一生懸命使って勉強していることが少なくありません。また塾帰りなどにコンビニなどに立ち寄って、店内の明るい照明にさらされるのもよくないことです」と指摘する。
私たちの体内時計は約24時間周期だが、朝早く日に当たると時計は前に進み、夜遅くまで起きていると遅れるようにできている。「寝つきが悪く深夜になってやっと眠り、朝寝坊が多く、日中の眠気が強いといういわゆる夜型≠フ生活をしていると、夜更かしする→寝坊して朝日に当たらない→翌日深夜まで眠くならない、という悪循環に陥ります。おまけに、勉強などで頭を使って緊張したり、テレビで興奮すると、神経が休まるまで数時間は寝つけず、たとえ寝つけても眠りが浅くなります。明け方になり、ようやく深い眠りが訪れますが、その時間にはもう起きないといけません。これは大変つらくストレスがたまることです」と粂医師は指摘する。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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