18年平昌五輪銅メダルの日本代表ロコ・ソラーレが、2大会連続でベスト4に進出した。

1次リーグ最終戦で、世界選手権2連覇中のスイスに4-8で敗れて5勝4敗。英国、カナダと並んで、規定によって英国に続く4位で1次リーグを突破した。18日午後9時5分の準決勝で、首位通過のスイスと再び対戦する。準決勝で雪辱すれば、平昌銅メダルを上回る日本勢初の銀メダル以上が確定する。

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取材エリアで朗報を耳にすると選手たちは地面にしゃがみ込んで口々に叫んだ。「うそでしょー!」「もう2試合できる!」。スイス戦に敗れて19分後。悔し涙から一転、驚きと歓喜の声が響いた。

運はまだ残っていた。世界女王に敗れて終戦かと思われたが、同時刻に始まった別の試合で韓国がスウェーデンに敗れて、4強進出が転がり込んだ。最終的に順位を決める「ドローショットチャレンジ」で、自分たちがライバルに劣ると思い込んでいたという。

同じ5勝4敗でも敗退となったカナダとの差は9・44センチだった。わずか10センチ弱が天国と地獄を分けた。鈴木は「今世紀最大のサプライズ」と表現し「あきらめなければ神様が見てるのかな」と言った。大会中盤の連敗から踏みとどまって、立て直して、生き残った。

銅メダルを獲得した4年前の平昌でも1次リーグラストはスイス戦。くしくも同じ4-8で敗れた。しかし米国に勝ったスウェーデンに助けられて、準決勝に進んだ。吉田知はスウェーデンのスキップ、ハッセルボリから「おめでとう。まただね」と声をかけられたことを笑顔で明かした。

スキップ藤沢は第4エンド(E)にハウスをスルー、第5Eにもミスが出て連続スチールを許した。朗報が届いても「まだよくわからないです。う、う、う…」と両手で涙を拭いた。それでも「チャンスを与えてもらえた。泣いても笑ってもあと2試合。まだ気持ちの整理はできていないけど、頑張ります」。この日は右手に「麻里ちゃん」とペンで書いた。日本で見守るチーム創設者の本橋麻里代表理事と、一緒に戦った。

4年前と同じように歴史は繰り返された。ただ、平昌五輪では準決勝で韓国に敗れている。今度は歴史を塗り替える。【奥岡幹浩】

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◆ドローショットチャレンジ(DSC) 各試合前に先攻、後攻を決めるために「ラストストーンドロー」(LSD)が行われる。チームの代表者が時計回りと反時計回りで1投ずつを投げ、2投を合計してハウス中心からの距離が短いチームが、有利な後攻でスタート。そのLSDをもとに算出されるのがDSCで、各試合のLSDから悪い数値2つをのぞいた平均値となる。DSCは英国が35・27センチ、日本が36・00センチ。その差はわずか0・73センチだった。準決勝を逃したカナダは45・44センチだった。