ドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)は11日、北京オリンピック(五輪)のフィギュアスケート団体戦で金メダルを獲得したROC(ロシア・オリンピック委員会)女子のカミラ・ワリエワ(15)が昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示したと発表した。

北京五輪代表を決める試合の1つだったロシア選手権(サンクトペテルブルク)で12月25日に採取され、その検体から持久力向上の効果があるとされる禁止薬物トリメタジジンが検出されたという。

ロシア・アンチ・ドーピング機構(RUSADA)の採取された検体は、スウェーデン・ストックホルムにある世界ドーピング防止機構(WADA)公認の検査機関で調べられ、トリメタジジンが検出された。

この報告は、団体戦が終わった翌日の2月8日にあり、RUSADAによってワリエワは即時の暫定資格停止処分を受けた。北京五輪を含む全てのスポーツ大会への参加が禁止された。しかし、ワリエワ側が翌9日にRUSADAへ異議を申し立て、同日夜に暫定資格停止処分の解除が決定された。北京五輪参加は継続される見通しという。

北京市内のメインメディアセンターで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の定例会見では、マーク・アダムス広報部長が発表時期や延期になっている団体戦の表彰式について「ドーピングには100%反対だ。可能な限り早く解決し、発表したいが、現状まだコメントできる段階にない」と述べた。【木下淳】