昨年12月25日に採取された検体から、持久力向上の効果があるとされる禁止薬物トリメタジジンが検出されたフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(15=ROC)の処遇について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が14日に裁定を下す。

AP通信によると、裁定を下す3人の法律家のうち、1人は米国人のジェフリー・ベンツ氏。かつてテニス女子のマリア・シャラポワがドーピング検査で陽性反応を示し、2年間の出場停止処分を受けた。シャラポワは16年にCASに提訴し、2年間の出場停止処分が15カ月に軽減された。その時も「裁判官」を務めたのがベンツ氏だ。

ワリエワへ裁定を下すのはベンツ氏にイタリア人とスロベニア人の法律家を加えた3人で、CASによって選出された。ワリエワを提訴した国際オリンピック委員会(IOC)&世界反ドーピング機関(WADA)側およびワリエワ側の双方が人選に影響を及ぼしたわけではない。だがベンツ氏の選出をワリエワ側が好ましく思っている可能性があるとAP通信は指摘している。

ベンツ氏は元フィギュアスケート選手で、アイスダンスで米国のトップ選手だった経歴を持つ。ベンツ氏はこれまで何度もCASの裁定に関わっており、当初よりも長い出場停止処分を決定したケースもある。ワリエワへの裁定が注目される。