スーパーフォーミュラ(以下SF)参戦6年目の牧野任祐(26)が悲願の初優勝を遂げた。ポール・ポジションからスタートした岩佐歩夢(22)が2位でSF初表彰台、坪井翔(28)が3位だった。

Jujuこと野田樹潤(18)は最下位に終わった。

スタートダッシュで、牧野がトップに立った。ポールスタートの岩佐は、SFで3度年間王者に輝いた山本尚貴(35)にも抜かれ3位に後退。

11周目、ピットオープンになると山本と太田格之進(24)がすぐにタイヤ交換に入った。

トップを快走する牧野は、後続との差を大きく広げた。25周目には牧野と2位岩佐が同時ピットイン。先にピットアウトした牧野と岩佐の間に、早めにタイヤ交換した山本と太田が割り込む形になった。太田はSFのチームメート、山本はスーパーGTのチームメート。牧野にとっては格好の展開だ。

27周目に岩佐が太田をパス。全車タイヤ交換義務を果たして、トップ牧野、2位山本、3位岩佐の順で終盤に突入。

岩佐は果敢に山本をプッシュ。しかし、山本も必死にポジションを守る。そして33周目、ついに岩佐が山本を抜き、牧野を追う。

しかし、岩佐に13秒以上のリードを築いていた牧野はトラブルなく走り切り、トップでチェッカーを受けた。

ゴール後、牧野は「杉さん(杉崎公俊チーフエンジニア)ありがとう! もう俺、SFでは絶対勝てないと思ってた…」とウイニングラップ中のコックピット内でむせび泣いた。ライバルやチームメートたちが、自分を差し置いて次々と勝っていった、悔しさ、もどかしさ、焦り…。 そうした気持ちに耐えて、こらえて、そしてまた挑んで、ついに表彰台の中央に立った。

表彰式でも、牧野は「本当に長かったです。チームメートがみんな勝っていくし、5号車杉さんの車で、(山本)尚貴さんがチャンピオンを取って、(福住)仁嶺も勝って…その車を引き継がせてもらったのに、全然成績出せなくて…本当に勝てて良かったです。ここからが本当のスタート。たくさんの人が支えてくれて、今の僕があるので恩返しできるように、これからも頑張ります」と、涙で顔をくしゃくしゃにして、チームやファンに感謝していた。

チーム代表の村田潔氏も「今までいくつも勝ってきましたが、今日の牧野君の優勝が一番うれしいです。チームと牧野君と勝ち取った優勝。これがスタートなので、ここからの牧野君の活躍を楽しみにしています」とエールを送った。

2位となった岩佐は「結果としては、正直に悔しい。でも、改善点が見えたことは良かったと思う。次に向けてしっかりと準備していく。間違いなくパフォーマンス、自分たちの良さというものは見せつけられたと思うので、そこをしっかりとまとめ上げて必ず勝ちにいく」と前を向いた。