17日に行われた北京冬季オリンピック(五輪)フィギュアスケート女子フリーで、米国の放映権を持つNBCの放送で、解説者がドーピング違反騒動に揺れたカミラ・ワリエワ(15=ROC)に厳しく言及した。

2008年世界選手権男子銅メダリストのジョニー・ウィアー氏(37)、長野五輪女子シングル金メダリストのタラ・リピンスキー氏(39)がダブル解説。ドーピングで陽性反応が出たワリエワは年齢に関係なく出場すべきではないと主張していた2人は、15日に行われたショートプログラム(SP)では演技中の解説をボイコットする沈黙で抗議の意を示していた。

ミスの連鎖で4位に沈んだワリエワの演技に、ウィアー氏は「カミラがフリーでこれほどミスをするのは見たことがない」とコメント。人間としてワリエワが経験したことは想像を絶すると同情を示すも、「しかし、それが出場すべきではないという事実を変えることはない」と出場を認めた裁定を改めて批判した。

一方のリピンスキー氏も「カミラにとってどれほどつらかったか想像できません。彼女が問題に対処しているのに、周囲の大人たちが良い決定を下さず、導けなかったこと、彼女の力になることができなかったことに怒りを覚える。彼女はまだ15歳で、フェアではありません」と語り、コーチをはじめとする周囲の大人たちを批判した。

試合の結果はアンナ・シェルバコワ(ROC)が金、アレクサンドラ・トゥルソワ(ROC)が銀メダルに輝き、日本の坂本花織(シスメックス)は銅メダルを獲得した。

(ロサンゼルス=千歳香奈子)