フィギュアスケート男子4位の羽生結弦(27=ANA)が2日連続で練習し、この日はピアノ曲のプログラムを“スペシャルメドレー”で披露した。

「ホープ・アンド・レガシー」から入ると「パガニーニの主題による狂詩曲」「ノートルダム・ド・パリ」を舞う。さらには「ロミオとジュリエット」だ。演じ終えると、続くは前回18年平昌五輪で2連覇した伝説のショートプログラム(SP)曲「バラード第1番」。スピンを決めると、自ら拍手した。場内の関係者からも拍手を浴びた。

その後も思い出のプログラムを重ねる。「どうだっけな~」と思い出しながらステップを確かめ「秋によせて」「ホワイト・レジェンド(白鳥の湖)」も再演した。

曲にとけこむように、4回転サルコーや4回転-3回転の2連続トーループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)などを次々と決めていく。

まだ終わらない。「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」も舞い切ると、息を切らしながらも、充実した笑顔を見せた。

最後。9曲目はピアノではなかったが、代名詞と言える「SEIMEI」。あのフィニッシュを決めると関係者だけの場内から大きな歓声が起き、拍手が降り注いだ。

取材エリアでは立ち止まって対応し「今までのスケート人生の中で落としてきたものを全部やろうと思って。今ならできるって。『ノートルダム・ド・パリ』のサルコーも跳べなかったですし『バラード第1番』のトーループも。絶対に最後は『SEIMEI』と決めていたんですけど。自己満足かもしれないですけれど、自分の中でやり切れたかな」と振り返った。【木下淳】