いつ寝ているのだろうか-。北京五輪(オリンピック)フィギュアスケート女子で銅メダルを獲得した坂本花織(21)の高校の3年間、担任でフィギュアスケート部の顧問も務めた神戸野田高の山本知穂教諭は、そう心配になるほど練習熱心だったという。

朝4時にリンクに行って7時半まで練習をこなし、8時半頃には電車で学校へ。放課後も再びリンクに向かい、帰宅は深夜11時近くになった。

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「本当に頑張り屋さん。すごかった。寝る時間は、ほとんどなかったと思います。クラスの人気者で坂本が頑張ればみんなが頑張る。学校は休まなかったです」

何事にも全力投球で、学校行事は進んでこなした。海外遠征から帰国すると空港で制服に着替え、そのまま登校することもあった。ただ、修学旅行は大事な大会と重なって行けなかった。友達を大切にしながら、文武両道を貫き、五輪で活躍する夢を描いていた。

「できなくて苦しんでいても、できるように持っていく子。コーチからの教えもあって学校でも頑張っていました。大変だったと思うけど、他の生徒に声をかけられてもニコニコしながらあいさつをしていました」

テレビ観戦した山本教諭は、メダル獲得が決まると当時を思い出し「涙が出る思いでした」という。

「銅メダルは彼女の努力のたまものです。大会が終わると、今でもメダルを見せに来てくれるんです」

帰国後、自慢の教え子と再会できる日を、心待ちにしている。【益子浩一】

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