来月4日開幕の北京五輪に初出場するフィギュアスケート男子の鍵山優真（18＝オリエンタルバイオ／星槎）が、夢舞台へ挑む心得を授かった。昨夏の東京五輪卓球男子団体で銅メダルを獲得した張本智和（18＝木下グループ）との同学年対談が実現。2003年（平15）生まれを代表する夏冬のトップアスリート2人が五輪、父、オフなど語り合い、エールを胸に鍵山は北京へ向かう。日刊スポーツでは本日から開幕まで、特集「Nikkan Olympic ONE」を先行10回連載。その第1回としてお届けする。【取材・構成＝木下淳、三須一紀】

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趣味、オフ、進学など高校3年生として気になる話題に広がると素顔を見せ合った。「ここからは自由に話し合ってください」。むちゃ振りに鍵山は苦笑いしながら「カラオケが好きとのことなんですが、好きな曲は何ですか」と尋ねた。

張本　いろいろな曲を聴くんですけど、アイドルが好きですね。好きですか？

鍵山　はい。乃木坂46には一時期ハマッてました。

張本　僕も乃木坂46と櫻坂46の雰囲気が好き。競技外のことも、ぜひ。休みの日は何をしてますか？　コロナ禍になる前は、僕は卓球の先輩や同級生と映画、ボウリング、カラオケの3つを繰り返していました。

鍵山　ボウリング、したことないですね…。遊びに行くことがなくて毎日スケートしています。正月が唯一の休み。その日はずっと家でゆっくりしています。

張本　ビックリです（笑い）。卓球は（猛練習のイメージも）週に1、2度は休みがあるので。ほかの競技も休めると思う。それほど練習されていることを知ることができて良かった。その苦労も含め、北京五輪で鍵山選手を見ることがさらに楽しみになりました。

今春、ともに大学へ進学する。鍵山は安藤美姫さんや浅田真央さん、宇野昌磨らオリンピアンを多数輩出した中京大を3月に受験。張本は早大人間科学部（通信教育課程）に合格した。

鍵山　（既に中京大を拠点にしており）自分の求めていた環境。たくさん滑ることができて、宇野選手だったり、多くの選手と一緒に練習できるので、刺激をもらいながら成長できたらいいなと思います。まだ先の話ですが、しっかり卒業もできるように（笑い）。

張本　（仙台市が同郷の）羽生結弦選手と同じ学部なので、羽生選手を知っている教授や先生方に、お話を聞いてみたい。しっかり学んで多くを吸収したい。

夏冬スポーツ界を引っ張っていく18歳。プライベートもいいが、やはり競技の話に戻る。自国開催だった五輪、気は早いが現役生活の展望などを語り合った。

張本　無観客でも、自国開催だった東京五輪ではテレビ、SNS、大会後の反響も含めて身近に感じることができました。応援を感じながら戦える幸せ。（30年の冬季五輪開催を目指している）札幌まで続けることを、お勧めします（笑い）。卓球以上にフィギュアスケートは年齢的に簡単じゃないと思いますが、鍵山選手ならできると信じて。

鍵山　26歳…。頑張ります、としか言えないですけど今を大切に。（27歳で五輪3連覇を狙う）羽生選手は本当にすごくて。それだけの体力と覚悟が自分にもあるか分からないんですけど、限界まで挑戦したい。

張本　（以前、本紙取材に36年まで5大会連続出場の夢を語っており）長く出ることも大事と思っていましたが、今はとにかく金メダルを取りたい気持ちの方が強くなりました。早くてパリ。1度でも金メダルを取れれば後悔はないです。

「今を大切に」と確認した鍵山の北京五輪が、いよいよ10日後に幕を開ける。

張本　絶対に見ます。ショートもフリーも日時を確認し、鍵山選手らしいスケートができるよう応援します。メダルを獲得する姿を心待ちにしているので、ぜひ頑張ってきてください。

鍵山　ノーミスの演技を張本選手、お世話になった方々、自分に約束します。（一般無観客となり）お客さんがいた方が試合感が出てすごく好きなんですが、よりテレビで、フィギュアを知らない方も見てくださると思うので頑張ります。やっぱり五輪になると羽生選手、宇野選手に注目する方が多いと思いますが、僕の存在も見せてきます！