91カ国・地域(ROC含む)から約2900選手が参加した北京五輪の閉会式が行われた。日本はカーリング女子の藤沢五月(30)やフィギュアスケート男子の鍵山優真(18)ら27人と、本部、監督、コーチ等ら46人の計73人が参加した。

【北京五輪閉会式】日本選手団の旗手はスピードスケート女子の郷亜里砂/写真ライブ速報

平和の輪だ。赤いダウンジャケットをまとった日本選手団が手をつなぐ。選手たちは時計回りに走りだした。結ばれた大きな円が、ぐるぐると回る。白いフィールドに、日の丸のような真っ赤な輪が描かれた。

悲喜こもごもあった北京五輪。予選の着地失敗で左手甲を骨折したスノーボード女子の岩渕麗楽は「ハプニングがありすぎてきつい五輪だった」。一方で決勝3回目、女子では誰も挑戦したことのない大技に挑み「この先つらい事があっても、この時よりはひどくないって思える。決勝3本目にみんなが来てくれたことは忘れない」と前を向いた。

10年バンクーバー五輪の浅田真央以来のメダル獲得となったフィギュアスケート女子の坂本花織は力強かった。「最後の最後まで諦めなかったから3位という結果に結びついた。このうれしさは一生忘れない」。

東京五輪に続き世界的コロナ禍での開催で、激しい制限下で戦った選手たち。閉会式だけは万国旗と各国選手が1つの輪となり、熱戦を分かち合った。次回はイタリアのミラノ、コルティナダンペッツォで開催される。聖火は消え、ドラマはまた4年後に引き継がれた。【三須一紀】