【パリ3日=藤塚大輔】バドミントン女子ダブルスで世界ランク4位の「シダマツペア」、志田千陽(27)、松山奈未(26)組(再春館製薬所)が銅メダルをつかんだ。3位決定戦を2-0で制した。同12位のムラリタラン、タン組(マレーシア)を圧倒。日本勢同種目のメダル獲得は、2大会ぶり3組目となった。志田は「先輩たちに1つ恩返しができた」と安堵(あんど)の笑顔を浮かべた。

日本の女子ダブルスはお家芸とも称される。その流れを作ったのが、12年ロンドン大会銀メダルの「フジカキペア」こと藤井瑞希、垣岩令佳組、16年リオ五輪金メダルの「タカマツペア」、高橋礼華、松友美佐紀組。青森山田中・高出身の志田は中学のころ、来校した同校OGの藤井、垣岩組と交流したことがある。当時の活躍を見て「こういう選手になりたい」と志すようになった。

14年のジュニア代表合宿を機にペアを組み始めたシダマツは今、垣岩に指導を仰いでいる。口酸っぱく言われてきたのが「言葉にしないと伝わらない」ということ。試合中に短いやりとりで互いを分かり合うためには、練習や普段の生活から本音を伝え合うことが重要だと伝えられてきた。

その大切さを実感したのが、昨年8月の世界選手権前。同5月からのパリ五輪選考レースで波に乗り切れず、志田の提案によって約2時間半も話し合った。そこから1学年後輩の松山に変化があった。いつもは志田の意見にうなずくことが多かったが「この作戦にしたい」などと積極的に意見するようになった。

本音を伝えることで志田との関係性が「良くない方向に進むのでは?」と恐れていたが、志田は「逆に自分が声をかけすぎなくてもいいんだ」と受け入れてくれた。関係性はグッと深まった。

先輩の教えも受け継ぎ、手にした銅メダル。松山は未来へも目を向けた。「『自分たちのようになりたい』という子どもたちや、喜んでくださるたくさんの方々の姿を見てみたい」。女子ダブルスの強さ、良き伝統を未来につないでいく。