渡辺雄太(29=千葉J)がパリオリンピック(五輪)本番に間に合った!
パリ五輪男子日本代表(世界ランキング26位)は、昨夏W杯準優勝のセルビア(同4位)に100-119と敗れたが、左ふくらはぎ肉離れで戦線離脱していたエースが先発で復帰し10得点。両軍最多29得点の八村塁(26=レイカーズ)と21年東京五輪以来、1085日ぶりに共演した。トム・ホーバス監督が課題に挙げ続けていた3点シュート成功率も上昇。開幕前ラストゲームで初の8強入りに挑む最強布陣が整った。
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先発リストに背番号「8」と「12」が並んだ。NBAで切磋琢磨(せっさたくま)してきた八村と渡辺。ダブルエースが、21年東京五輪以来3年ぶりにコートで並んだ。ホーバスジャパンでは初。開幕6日前に待望の最強コンビが実現した。
攻撃を2人が活性化させた。19日のW杯王者ドイツ戦は83-104で完敗。その2日後、強豪相手に3桁得点を奪った。その中心に2人がいた。第1クオーター3分、渡辺が右から3点シュートでチームを勢いづけると、1分後に八村が力強く切れ込みシュートを沈めた。
渡辺は6月下旬に合宿合流も、左ふくらはぎ肉離れで別メニュー調整。ぶっつけ本番の可能性もあった。この日は約15分のプレーにとどまったが「これだけプレーできたので、本番ではもう(けがの)怖さはなくできる」と上々の発進。チームとしても「今日は本当に感触が良かった。点差以上にいい試合ができた。自信を持って五輪に行ける」と本番を見据えた。
ダブルエースで2つの課題を本番までに解決していく。1つはW杯で31.3%だった「3点シュート成功率」。渡辺が4本中2本、八村が8本中5本を成功。チーム全体で46本中20本を決め、43%。チーム目標に設定した40%をクリアした。外角シュート攻勢に、セルビアのペシッチ監督もビックリ。「今夜の日本人は我々を驚かせた。彼らは射撃チームだ」と言わしめた。
残る課題はリバウンド。206センチの渡辺、203センチの八村で守りを固めるプランは、わずか5。オフェンスでは1つも奪えなかった。攻守のリバウンド獲得は相手の攻撃時間を少なくすることにもつながる。119失点した守備は、さらなる修正が必須になる。
3戦全敗に終わった21年東京五輪から3年。初の五輪8強へ準備は整った。27日の開幕戦はドイツと再戦。ラストピースが埋まった代表が、世界を驚かせる。
○…チームメートも渡辺雄の復帰を喜んだ。富樫主将は「戻ってきてチームにとってはこれ以上ないプラス。優勝候補のドイツ、セルビアと五輪前に対戦したことは最高の準備になった」。ホーバス監督も「渡辺雄も復帰したし、河村も爆発し、うれしい」と手応えを得た。NBA最優秀選手(MVP)3度受賞のヨキッチを中心とした攻撃力に屈し、19点差の敗戦となったが「勝ちたかったが100点取った。攻撃は結構良かった。最後の最後まで頑張った。大きな1歩」と前向きな姿勢を貫いた。



