【パリ=木下淳】21年東京五輪女王の素根輝(24=パーク24)が、大会2連覇を逃した。敗者復活戦も左膝の負傷で棄権することになり、メダルもなし。日本女子の今大会の獲得数は角田夏実の金と舟久保遥香の銅の2個だけに終わった。阿部詩のまさかの2回戦敗退などもあり、ロンドン大会の3個を下回る過去ワーストの少なさだった。

全日本女子の増地克之監督によると、素根は4月のアジア選手権と同じ左膝痛が再発した。医師から「試合ができる状態ではない」と診断され、翌3日の混合団体戦への出場も絶望的となった。

素根は準々決勝でトルコ選手と対戦。延長戦の末に抑え込まれて一本負けしていた。その際につぶされ、痛めたとみられる。敗者復活戦へ回って最低限の銅メダルを目指すはずが、無念の欠場となった。普段通りに歩けていなかった。

2回戦は中国選手に残り26秒、得意の大内刈りで技ありを奪って勝っていた。初戦は34歳のカメルーン選手に浮き落としの技ありから、けさ固めで合わせ技の一本勝ちを収めていた。

東京五輪では20歳で頂点も、最終日の混合団体戦で左膝を負傷した。翌22年3月に同箇所を内視鏡手術。「元の状態に戻るのだろうか」との不安を克服し、昨年5月の世界選手権で優勝してパリ五輪代表に内定した。

その後は、今年3月のグランドスラム(GS)トビリシ大会では5位。4月のアジア選手権(香港)では再び左膝を痛めて途中棄権していたが、大事を取ったもので、大舞台に照準を合わせてきた。

大会前は「2連覇できる資格は自分にしかない。必ず達成したい。東京五輪の後、なかなかモチベーションが上がらない時期もあったけど、パリで必ず金メダルを取ることが、あらためて目標になった」と強い気持ちを取り戻していたが、頂点には届かなかった。

◆素根輝(そね・あきら)2000年(平12)7月9日、福岡・久留米市生まれ。7歳で柔道を始める。南筑高2年時に金鷲旗大会の決勝で男女を通じて史上初となる5人抜きを達成した。世界選手権は19、23年に優勝。皇后杯全日本女子選手権は優勝2度。得意技は体落とし、大内刈り。家族は両親、兄3人と姉。162センチ。