室伏親子に続いた! 日本陸連は13日、リオデジャネイロ五輪の追加代表を発表。男子3段跳び山下航平(21=筑波大)が初選出された。父訓史(のりふみ)さん(53)は日本記録保持者で88年ソウル、92年バルセロナの2大会連続五輪出場。陸上の親子2代五輪はハンマー投げの室伏重信と広治、由佳に続くケースとなった。

 室伏親子に続く親子オリンピアンが誕生した。大学4年の山下が、追加代表に選ばれた。この日夕方、息子の初代表入りを知った父から電話で連絡を受けた。

 訓史さん (代表に)選ばれた。知ってる?

 航平 うん、知ってる。

 訓史さん よかったね。

 航平 うん。

 短い会話だったが、成し遂げたことは快挙だ。伝統競技の陸上で親子2代の選手は数多くいるが、ともに五輪出場は非常にまれだ。

 ラストアピールが実った。参加標準記録の16メートル85をクリアして迎えた6月の日本選手権。最初の2回がファウルに終わり、後がない3回目の跳躍で着地地点よりも後方に足を踏み出す「まさかの4歩目」で記録なしだった。それでも「もう1回跳んでおこう」という父の言葉で10日の南部記念にトライ。記録は16メートル18と平凡も五輪代表長谷川らに勝って優勝。その3日後、強化委員会の推薦を受ける形で朗報が届いた。

 父は86年6月に17メートル15の日本記録を樹立。その記録は30年たった今も破られていない。父の「スピードはなかなか手に入らない」という考えでまず走力を鍛えた。大学入学後に跳躍の技術を磨き、初五輪をつかんだ。「スプリントは自分の武器。父がいなければ、陸上をやっているかわからないし、ここまで来ていない。父の存在はすべてのきっかけです」と感謝する。「室伏さんのところとは全然違いますよ」と笑う父の期待も背負って、山下がリオで躍動する。【益田一弘】

 ◆山下航平(やました・こうへい)1994年(平6)9月6日、福島県生まれ。福島・橘高から筑波大進学。今年5月の関東インカレで16メートル85をマークして優勝。リオ五輪の参加標準記録を突破した。父の訓史さんは17メートル15の日本記録保持者。179センチ、69キロ。

 ◆山下訓史の五輪VTR 初出場の88年ソウル大会は予選で16メートル29をマークして決勝に進出。翌日の決勝は15メートル62で12位だった。2度目の出場となった92年バルセロナ大会は予選で15メートル97も決勝進出を逃した。ちなみに筑波大2年時の84年ロサンゼルス大会は、16メートル50の参加標準記録は突破していたが、陸上の五輪派遣人数が少なかったために出場できなかった。

 ◆親子での五輪出場 初の親子出場を達成したのは水泳飛び込みの馬渕親子。馬渕親子、金戸親子、体操の笠松親子はいずれも夫婦ともに出場し、子供も代表入りしている。陸上ハンマー投げの室伏親子は父重信氏と広治氏、由佳さんの兄妹が代表。親子でメダル獲得は体操の塚原親子と相原親子、重量挙げの三宅親子。