男子200メートルバタフライで日本勢2人が決勝(日本時間10日)に進出しました。私の注目するのは坂井聖人選手(21=早大)です。

 今日の準決勝では瀬戸選手と同組で泳ぎ、瀬戸選手に100分の4秒及ばず3位でした(全体6位)。2人は早大のチームメートです。瀬戸選手には個人メドレーもありますが、坂井選手はバタフライ一本。意地もあるし、ここにかける気持ちは強いはずです。

 昨年の世界選手権に初出場して、同種目で1分54秒24の自己ベストをマークして4位に入賞しました。しかも瀬戸選手(6位)を上回っています。大舞台に強いところをみせてくれました。今回も「金メダルを目指す」とはっきり言っていました。奥野コーチのもと、メキシコで渡辺一平選手と高地トレーニングを積んできて、調子は良さそうです。

 男子200メートルバタフライは、アテネ五輪で山本貴司選手が銀、北京とロンドンで松田丈志選手が銅メダルを獲得しています。今回は復活した怪物マイケル・フェルプスに、ラースロ・シェー、チャド・レクローと、4年前のロンドン五輪とあまり顔触れが変わっていません。そこに新顔の日本人選手2人と19歳のケンデレシ(ハンガリー)が加わったという感じです。

 ◇ロンドン五輪男子200メートルバタフライ成績=1位レクロー、2位フェルプス、3位松田

 今日の200メートル自由形決勝のように、前半から激しいレースになると予想します。一気に雰囲気の変わる決勝ですが、力を出し切ってほしいですね。(伊藤華英=北京、ロンドン五輪代表)

 ◆伊藤華英(いとう・はなえ)1985年1月18日、埼玉県生まれ。00年日本選手権に15歳で初出場。01年世界選手権で初代表入り。08年北京五輪で背泳ぎ2種目出場、12年ロンドン五輪は自由形リレー2種目出場。12年秋に現役引退。順大大学院博士後期課程。173センチ。