<リオ五輪:柔道>◇11日◇男子100キロ級3位決定戦

 羽賀選手は勝てる選手だからこそ起こりやすい、自分に自分で重圧をかけるパターンにはまった。技の切れる選手はここぞという時以外は技を出さない。それはかけてもかからないという状況を知っているからで、無駄な動きをしない。そして、入れるタイミングを体が知っているからこそ、そこにちゅうちょがあれば自分のリズムでやってないと分かってしまう。それが自分に重圧となり、技が出なかったのだろう。

 小学生時代から彼を知っているが、よくぞここまで強くなった。なんとか踏ん張り、3位決定戦に勝った後の脱力感と悔しさが交じった顔が印象的だった。4年後は29歳、1年1年の積み重ねで気付けば2度目の五輪がやってきた-、そんな今後をぜひ過ごしてほしい。(92年バルセロナ五輪金メダル)