リオ五輪で日本代表がサッカー競技1、2戦を行う会場はリオデジャネイロではなく、アマゾナス・アリーナだ。同会場はマナウスというアマゾンの玄関口にあり、14年W杯でも使われた。アマゾンということもあり高温多湿で、日本代表も苦戦するだろう。

 実は同会場は現地で「ホワイトエレファント(白い像)」と言われ、無用の長物とやゆされている。W杯のために約240億円(約7億5000万レアル)かけて建設されたが、昨年の収支は約2億3000万円の赤字。地元にはブラジル全国リーグの3部チームしかおらず、同アリーナはほぼ使用しない。

 取材した4月26日は、国内屈指の人気を誇る「フラメンゴ-バスコ・ダ・ガマ」戦が行われ4万4000人の満席となったが、ともにリオのチームで、マナウスで試合を行うことは異例。そのため昨年の開催試合は13試合のみ。住民は「五輪が来ても状況は変わらないと思う。無駄なものを造った」と不満げ。地方スタジアムの赤字体質は日本と変わらない。20年東京五輪でもこのような負債が出ないことを祈るばかりだ。