東京オリンピック(五輪)アーチェリー代表最終選考会の最終日が開かれ、初日の選考を勝ち上がった男女各4人が出場した。72射の合計得点で争われ、それぞれ上位3人が代表入りする。男子では五輪5大会連続出場を目指す古川高晴(36=近大職員)が順当に勝ち進み、代表の座を勝ち取った。

630点を出した古川が2位に入り、男女各上位3人に与えられる五輪代表の座を手にした。試合内容には不満が残ったといい、初日のように後半に立て直すことができず我慢の展開が続いた。「風があるので矢が真っ直ぐいかず、振られて飛んでいくので感覚がつかめず難しかった」と振り返った。

競技を終えて代表入りを決めて口をついて出たのは、周囲への感謝だった。新型コロナウイルスの影響で自粛期間中は満足に練習ができず悶々とした日々を送り、弱音を吐いたこともあった。古川は「妻から『焦らないでゆっくりやったらいいんだよ』と声を掛けてくれた。応援の後押しでここまで来れた」。コロナ禍を通じて家族や競技関係者の支えがあるからこそアーチェリーに打ち込めていると実感した。

5大会連続で五輪代表の座を獲得したことで周囲への期待も高まるが「一番悔しいのは自分の力を出し切れなかったこと。力を出し切ることができれば、結果は後からついてくる」と話していた。

古川の他に男子は、河田悠希(エディオン)、武藤弘樹(トヨタ自動車)が五輪代表の座を手にした。【平山連】