陸上男子100メートル日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(21=フロリダ大)が27日、所属事務所UDN SPORTSを通じて、近況を報告した。

拠点とする米フロリダ州も新型コロナウイルスの感染被害が広がっている。練習環境も日常ではない。

「今は学校が封鎖してて、トラックが使えない。1週間ぐらい前まで近くの競技場で練習していたが、競技場もコロナのせいで閉まってしまった。学校や家の周りなどに、みんなで集まって練習している形です」。

その状況でも悲観はしない。やれることをやっている。「何事もポジティブに考える。いろいろと考えながら、1日1日を大切にすること」と言う。予防として手洗い、うがい、アルコール消毒の徹底はもちろん、毎日の食事ではビタミンCを意識的に摂取し、免疫力を高めるようにしているという。

7月24日に開幕する予定だった東京オリンピック(五輪)は延期になった。

「オリンピックがないからと、だらけずにやる。試合もないですけど、休みというより長い準備期間とし、気を引き締めていければ」。新型コロナウイルスの影響で、多くの大会が延期や中止となった。まだ新たな五輪の日程も分からない。具体的な強化プランは決まっていないが、「長い準備期間」と位置付ける期間を、少しでも有効に活用していく。

「1年ちょっと時間がある。どう有効活用するか、しっかりコーチと話し合う。去年の長いシーズンから今年は休みをあまり取れず、入っている。時間はたっぷりある。体のケアもそうですけど、しっかり何ができるか考えながら、やっていければ」

東京五輪の時期は変わっても、掲げる目標は頂点でぶれない。「目標はまったく変わらない。出る種目については頂点を目指す。1年以上空くが、だらけずに、ベストコンディションを保ち、来年のオリンピックで、今年以上の力を発揮できるようにできれば」。準備を整え、21年の東京で大きな飛躍を遂げる。【上田悠太】