男子マラソン東京オリンピック(五輪)代表の中村匠吾(28=富士通)が持ち味の鬼スパートをさく裂させ、チームをトップに押し上げた。

4区(22・4キロ)の約残り3キロ。井上大仁(三菱重工)、鎧坂哲哉(旭化成)の三つどもえを一気に抜け出した。

序盤は力をためて、勝負どころに備えた。最後の上り坂、そして向かい風。ライバルが一番きつい場所で、ロングスパートのギアをどんどん上げた。東京五輪代表選考会マラソン・グランドチャンピオンシップの勝因にもなった、得意のレース運びで、鎧坂に18秒、井上に21秒の差を付けた。タスキを受けたのは、GMOインターネットグループ、旭化成に次ぐ3位。そこから12年ぶり3度目の優勝を目指すチームに勢いを付けた。

タイムは1時間4秒14で、井上と区間2位タイ。区間賞は1時間4分0秒の佐藤悠基(SGホールディングス)だった。