東京オリンピック(五輪)日本代表の補欠に選ばれている、2人の明暗が分かれた。

松田瑞生(25=ダイハツ)はレース後半で1人旅となり、2時間21分51秒で初優勝。一方の小原怜(30=天満屋)は第2集団から優勝争いに加わるプランだったが、伸びきらず、2時間32分3秒で18位となった。

19年9月に行われたマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)では、小原が五輪内定を得た前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)に続く3位。松田は4位だった。五輪代表3枠目には、20年3月の名古屋ウィメンズマラソンを大会新記録で制した一山麻緒(ワコール)が滑り込んだ。

同月の五輪代表内定会見では日本陸連の河野匡・長距離マラソンディレクター(60)が、補欠の1番手について方針を示していた。

「4番目は(MGC上位の男子)大塚と(同じく女子)小原。同等のレベルであれば、4番目を優先する。5番目の選手が良くて、4番目の選手が出来上がっていないという(場合の)判断は、現場の専任コーチとの人間関係の中で『まずはどうするか』という話をする」

この日のレース後、日本陸連の瀬古利彦マラソン戦略プロジェクトリーダー(64)は補欠の序列について「順番はまだです。最終エントリーまでは様子を見て。調子を見て、最高の人を立たせるのが我々の使命」と口にした。小原を指導する天満屋の武冨豊監督(67)は「この大会に全てをかけて合わせてきたつもりはない。無理な練習はやらずにここにきた」としながら「ただ今回の結果を見ても“もしも”のことがあって『MGCの順位以上に、東京(五輪)での結果を考えたときに松田』と言われても仕方がない。それも私自身が納得できる結果だと思います」と冷静に語った。